第2話 ゴミは所詮ゴミ
☆
「お姉ちゃん半端じゃないがゴミ屑だった」と言えるかもしれない。
私はその事にあまりショックも受けなかった。
正直、そんな傾向はしていた。
ゴミ屑だっていう。
まあそんなゴミは処分するだけ。
私は先輩が好きだ。
だから先輩を愛するだけ。
あのクソ女は死んでどうぞって感じだ。
「先輩」
「...な、何だ」
「私の姿にドキッとしてます?」
「...正直目に毒だ。...何か着てほしい」
シャツ一枚で誘惑してみる。
正直に言ってしまうと滅茶苦茶恥ずかしいが。
だけど私は彼を誘惑する。
なのでそう恥ずかしがっていられない。
「先輩。私は本気で先輩が好きなんです。だからこそこの姿ですよ」
「ば、馬鹿野郎が。そんな事言われて俺が付き合うとか思っているのか」
「あれ?男の人ってこういう単純なのが好きなんじゃないんですか?」
「単純すぎるだろ!しかも怖いわそんなの!?」
そう言いながら先輩は横を向く。
私はその姿にニヤニヤしてから立ち上がる。
それから「先輩。飲み物貰いますね」と笑みを浮かべる。
すると先輩は「麦茶ぐらいしかないぞ」と言ってきた。
私は「知ってます」とニコニコする。
「...だって先輩、クソ真面目だからそういう系しか置いてないだろうなって」
「知ってんのかよ」
「いやいや大体予測できるでしょそんなの。先輩」
「...お前な」
「でもまあどっちにせよ私はクソ真面目な人好きですよ」と笑顔になる。
それから麦茶を飲んでいると溢した。
口から零れて下着が透ける。
私はボッと火が点いた様に赤くなった。
だがそれ以上に先輩が赤かった。
ほほう?
「先輩のすけべー」
「...揶揄うな。いい加減にしろ」
「えー?だって先輩、私の下着姿に赤くなってますー」
「...」
私は猛烈に恥ずかしい。
だけどこれはチャンスだ。
そう思いながら私はグイグイ攻めていく。
だが先輩は呆れた顔になってバサッと何かを被せてくる。
それは先輩の制服の上着だった。
「これでも着てろ。...全く。ガキだぞ俺達。そんな事をしている場合か」
「む?!先輩。私はガキじゃないです。16歳ですよ」
「違う。俺達がクソガキって言っている。...まだ早い。そういうのをするのは」
「...先輩...」
「...将来、本当に好きになった奴にしろ」
「...」
私は困惑しながらも「はい」と答えた。
それから上着を羽織ってからティッシュで胸元を拭いて乾かす。
そして麦茶を飲みほした。
私は先輩を見る。
テレビを点けていた。
「先輩ってニュース好きですよね」
「...アホな政治家の話しか無いけどな。...まあ好きだ。情報分析が好きだから」
「寝ている政治家の話とかですか」
「そうだな。クソ政権の話」
「...アハハ。先輩って訳分からない行動しますけど好きです」
それから私は先輩に体操座りで寄り添いながら一緒にテレビを観る。
すると先輩が「浮気の事も忘れられる」と呟いた。
私は「!」となりながら「そうですね」と答えながら眉を顰める。
そして私はテレビのニュースを観た。
「...先輩が姉から衝撃を受けまくった。...それは死んでも許せないです」
「そうだな。有難う。そう思ってくれるだけありがたいな」
「絶対に許せない。アイツ。姉だけは殺したいぐらいです」
「分かるが殺すなよ。...絶対にな」
「殺しませんよ。先輩と付き合えなくなります」
そして私は歯を食いしばる。
それから拳を握り締めていると横に座っている先輩が私の手を握った。
ポンポンと叩いてくる。
私はその姿に「?」を浮かべた。
「落ち着け。イライラしても仕方が無い」
「...それは分かっていますが...だけどイライラが収まらないです」
「...分かる。気持ちは分かる。だけど...どうしようもない」
「...先輩...」
「あんな女に出逢ったのが間違いだ。だけど代わりにお前に出逢った。だからもうそれで良いんだ。...お前も相当に良い女子だよ」
「私は...そんなに良い人じゃ」
「良い女子だよ。...良い女の子だ」
私は「...!」となりながら先輩を見上げる。
すると先輩はそれに気が付いた様に笑みを浮かべた。
私はボッと赤面する。
それから前を見た。
「どうした?」
「いえ。何でもないです。すいません」
「...そうか?」
そして私は胸に手を添える。
ヤバすぎる。
心臓がドクンドクンと高鳴っている。
恥ずかしいぐらいに高鳴っている。
下着見られているよりも恥ずかしいかも。
「...先輩。有難う」
「何がだ」
「先輩が...あの場に居た事で変わった気がします。私は」
「...???」
「私達が運命的出逢って事ですよ。先輩」
そう言いながら私は唇に手を添える。
それから笑みを浮かべた。
すると先輩は目をパチクリして赤くなる。
そして「止めろ。そういうの」と言いながらだ。
「うふふ。恥ずかしがっちゃって。先輩のえっちー」
「全くお前は...」
先輩は苦笑いを浮かべる。
私はその姿を見ながらニヤッとしながら先輩を見た。
そしてまた寄り添う。
それから...目を閉じた。
少しだけ先輩の温もりを味わいたいから。
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