詩集①『黒くて丸いもの』
@mayonakataiyou
第1話詩集①『黒くて丸いもの』
「神様と悪魔はゲームを楽しんでいるんじゃないのかな」
と僕が呟く。
「神と悪魔はお前の人生というゲームを楽しんでいるのさ」
と奴が呟く。
「じゃ、神様が白で、僕の幸せの数だね」
と僕が言う。
「じゃ、悪魔が黒で、お前の不幸の数さ」
と奴が言う。
「神様の次の一手で、僕の人生が逆転ホームラン、てこともありえるよね」
と僕が微笑む。
「悪魔の次の一手で、ゲームオーバーがオチだろうよ」
と奴が微笑む。
「神様が、“なかなかやりますなぁ”と頭をかいていたりして」
と僕が爆笑する。
「悪魔が、“いやいや、そっちこそ”と頭をかいていたりして」
と奴が爆笑する。
どこからともなく聞こえてきた テレビの笑い声さえ、僕たち2人はたじろぎ、視線を落とす。
「 冗談にしては、少々きつすぎだね」
と僕が苦笑する。
「冗談ならいいけどな」
と奴が苦笑する。
ふと気づくと、この狭い部屋には黒くて丸いものがあまりにも多すぎるような気がした。
詩集①『黒くて丸いもの』 @mayonakataiyou
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます