　肩並べ一二三（ひふみ）祝詞（のりと）をひな祭り

　今年（令和六年）のひな祭りは、個人的にはやや季節感の薄い日でした。気候変動のせいかもしれません。カクヨムの誰かの近況ノートで、そういえば今日はひな祭りだったのだと知りました。なんとなくスーパーに行ってみると、ちゃんと雛霰を売っていました。それで、ようやく実感が湧きました。

　で、せっかくだからスーパーの雛（ひな）霰（あられ）をモチーフに俳句を詠んでやるかと野望を激らせてみたのですが、どう考えてもありきたりな発想だと思えたので、半ば諦めて帰りの自転車に乗りました。

　帰り道、とある広々とした公園脇を通りかかると、カップルらしき二人組が携帯端末で動画を見ていました。音からして、音楽を聴いている風でした。ですが、よく聴いてみると……、

　一二三（ひふみ）祝詞（のりと）じゃないか！

　と気がつきました。

　一二三祝詞は平安時代以前、かなり古い時代に成立した祝詞です。

　また、昨今のオカルトブームにより、ここ十年以上前から〝日月神示〟なる預言書が熱い注目を集めています。カクヨムでも日月神示について話題にする人がチラホラいます。大声で言わないだけで、腹の底で日月神示を支持している人もかなりいるでしょう。これまで、それっぽい書き込みをいくつも目にしましたから。日月神示関連の情報はオカルト好きにとっては常識というか、共通認識です。ホラーとかオカルト系の作品を書いている人は知っておいた方が良いかもです。

　で、日月神示には幾つかの派生預言書が存在するのですが、そのどれもが、何故だか、一二三祝詞をとても重要視しています。それと関係あるかは分かりませんが、一二三祝詞にメロディを付けて歌にしたものが、動画投稿サイトにいくつか上がっています。カップルが見ていたのは、それ系の動画だと思われました。

　何故、ひな祭りにカップルで一二三祝詞なんだ！？

　みたいな疑問はさておき、なんだか男雛と女雛のようで不思議な光景だったので、俳句にしました。

　季語は「ひな祭り」です。

　漢字率が高くてカッチリしてしまうので、ひなを平仮名にしてみました。