流るるは靄や江津湖の水の春




 流るるはもや江津湖えづこの水の春


 うちの近所には、江津湖という湖があります。正しくは、水前寺すいぜんじ江津湖えづこ公園といいます。以前、僕が書いた長編小説の舞台でもあります。

 江津湖は、湧水と、流れ込む加勢川の水で構成されます。湧水が加勢川へと注ぐので絶えず流れがあり、水面はいつもキラキラ輝いています。冬場や春先は、微妙に水温が高めです。寒い朝には湯気が立ち、もやがかかります。水と風の流れに乗って、靄も流れてゆきます。その光景を素直に詠んでおります。


 季語は「水の春」です。

 江津湖を言い表すのにぴったりな気がして使いました。


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