目覚ましのアラームと同時に飛び起きた朝。
隣にはなぜか、暴力系ツンデレ女――水無月牡丹が寝ていた。
顔面にグーパン、返す言葉は「ナイスおっぱい」。
……何の罰ゲームだこれは。
平凡な高校生活を夢見ていたはずの鏑木強(かぶらぎ・つよし)は、
突如現れた自称ルームメイトとの奇妙な同居生活に振り回されながら、
その日常を『もう一人の幼馴染』天野劔(あまの・つるぎ)に冷ややかにツッコまれる日々を送っていた。
だが、これはただのラブコメではない。
彼ら三人は、誰にも知られてはならない『異能』の持ち主だった。
その力は、世界に26人しか存在しないという特異な能力。
人の心が読める少女、他者の抵抗を増幅する少女、そして――自分の命を代償に異能を引き継がせる少年。
交錯する関係、明かされる過去、そして迫る異能の因縁。
冗談と欲望と拳で始まる日常は、
やがて運命の渦に巻き込まれていく。
これは、笑いながらも、『特別』を背負わされた少年少女たちの、
不器用で、切なくて、ちょっぴりエロくて、最強にカッコいい青春異能譚。
本作を読んでみて、個性豊かなキャラクターが魅力的だと感じた。
天真爛漫で異能に無自覚な幼馴染の天野劔、凛々しくも問題を抱える同居人の水無月牡丹。
この二人のヒロインを中心に、クセの強いキャラクターたちが多数登場し、物語を盛り上げる。
各キャラクターが持つ異能の設定が見逃せない。
例えば、劔の「好感度がわかる」能力は、テストで満点を取るのにも使えるユニークさ。
牡丹の「抵抗の増幅」も、周囲への影響力ゆえに諸刃の剣といった興味深さがある。
これら設定が絡み合い、バトルや日常生活にどんな影響をもたらすのか、先が気になって仕方ない。
これからの展開に期待である。