第5話 イース、初めての魔獣との戦い
イースの筋トレの場所は、森の手前にある野原だった。
イース「もっと効率的な筋トレ方法があるはずだ。そうだ。木を上ったり、ジャンプして渡ったりすれば、もっと鍛えられるかも。でも、父さんも母さんも森には魔獣がいるから入っちゃダメって言ってたな。でも、ちょっとなら良いか。」
イースは筋トレのために森の中に入っていくのだった。
イースが森の中に入ると、木の上の枝にぶら下がっているゴリラのような魔獣が数十匹いることに気付いた。
ゴリラ魔獣は、腕や足で器用に木を上ったり、移動しながらイースに噛みついたり、殴ったりしてくる。
イースは冷静にゴリラの攻撃を受けたが、過激な筋トレのお陰でステータスが高かったので、全然効いてなかった。
イースは、ここで勘違いする。
イース「何だ。魔獣じゃなくてただの猿か。」
イースよ。
違う。
そのゴリラは、フォレストゴリラというEランクの魔獣だ。
群れになると、危険度はCランクまで上がる厄介な魔獣だぞ。
等と突っ込み(ナレーション)が聞こえてきそうだ。
そして、イースは何かを悟ったように呟く。
イース「この猿達、木登りや木から木への飛び移りが上手いな。体の動かし方がしなやかだし、マネしてみるか。全身運動だからトレーニングにもなるぞ。頑張って、人並みに魔獣退治できるようになるぞ。」
こうして、イースはフォレストゴリラの動きをマネして、体の動きも工夫しながら森の中を移動したり、攻撃したりを繰り返した。
現代の中国にも動物の動きを模した武術が存在する。
イースは無自覚に、これをやろうとしているのだろう。
しかも、普通の動物より強い魔獣でだ。
イースとフォレストゴリラの群れの戦いは夕方まで続いたが、フォレストゴリラが本能でイースに勝てないと分かり、森に逃げて行った。
イースは、また勘違いする。
イース「俺は下位才能の人なら簡単に倒せる猿の群れさえ倒せないなんて。この事は恥ずかしくて父さん、母さんに言えない。明日から、もっとトレーニングの負荷を増やして努力するしかない。いつになったらファマやウズに追いつけるんだろうな。」
イースは、才能無しで学校に入る資格がないと判断され、学校に行けず、魔獣の事は学んでいないし、友達もおらず、周りのレベルが分かっていないし、森の出来事は自分のレベルが低すぎると勘違いして、両親に話す事もない。
さらに初めて魔獣に遭遇し、イースのイメージでは、魔獣はとてつもない強気を誇っていると勘違いをしていたため、フォレストゴリラが魔獣だと思わ無かった。
イースの勘違いが正される要素は1つも無い。
イースのレベルは、危険度Cのフォレストゴリラの群れを軽くあしらう力があるので、正規の審査を受ければ、きっとAランク冒険者くらいの強さはあるだろう。
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