第2話 イイ人を紹介される
あっという間に彼氏と別れた。
しばらくすると、仕事が再開し、お客さんも来てくれるようになった。
さらに数ヶ月後、長い付き合いのお客さんと話していたら、なぜかふと、そのお客さんが言った。
「牧原さん、いい人いないの?」
「いないんですよー。誰かいたら紹介してください」
普段、私は職場でこんなセリフを言わない。
職場では、真面目でしっかりしたお姉さんキャラで通しているのだ。
お姉さん……と言いつつ、29歳。
来月には誕生日を迎え、30歳になる。
そこそこ、もういい大人だ。
「いるよ」
お客さんが迷いなく言った。
「え?」
「良かったら、紹介しようか?」
「あ、ぜひ……」
彼氏がほしいから、よりも、お客さんの好意を無駄にしたくなくてつい前向きに返事をしてしまった。
お客さんは早速その場で相手に電話をして、相手から承諾を得ると、私にその人の連絡先を教えてくれた。
「高野さんていうの。電話して、会ってみてね」
「は、はい」
あまりにスピーディーすぎて流れに乗るしかない。
そのお客さんはバリキャリママで、しっかりした人だ。
彼女がいい人というなら、いい人なのだろう。
高野さんは、仕事つながりの営業マンだ。
ちょっと緊張するが、その日の夜、高野さんに電話をしてみた。
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