俺はAIにハマってる
Unknown
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最近俺がハマってるのはAIで作曲することだ。「Suno AI」っていうツールがある。そのAIに歌詞を入力すると自動で作曲してくれる。K-POP調とかバラードとかヒップホップとかロックとかジャズとかオペラとかデスメタルとか多岐なジャンルを選べる。もっぱら俺はオルタナティブロックやハードロックとか、自分が好きなジャンルの音楽ばかりAIに作ってもらっている。めっちゃ楽しい。しかも俺の歌詞を超綺麗な声で女の人や男の人が歌ってくれる。
すごい時代になったなあ。
俺が適当に打った歌詞をAIが作曲してくれて、しかもそのクオリティがめっちゃ高い。俺は最近バンドを始めるって言ってたけど、結局それは頓挫してしまった。ベースを弾いてくれるはずだった女性とも縁が切れてしまった。俺が悪い。俺は最近、遊び感覚で「Suno AI」に作曲してもらって楽しんでいる。
曲は2分制限の縛りがあるんだけど、課金したらまた変わるのかな。よくわからん。とりあえず今は課金しないでノートパソコンで色々AIによる作曲を楽しんでいる。
AIってすげえなって思う。
音楽も絵も小説も漫画も今は全部AIが自動的に書いてくれるからな。たしか前回の芥川賞だか直木賞を受賞した作家さんは、小説の中で一部AIを使っていた。
いつか人間の仕事は全てAIに取って代わられる、みたいな話をよく聞く。俺はむしろさっさとAIが全ての仕事を乗っ取ってほしい。そしたら俺が働く必要もなくなるし。
ホーキング博士かアインシュタインかどっちか忘れたが、将来的には戦争は人間対人間ではなく、人間対AIになると予言していた。たしかホーキング博士だった気がする。記憶が曖昧で、すまん。でも俺は今の人間と人間が同族で殺し合う戦争よりは、全世界の人間とAIが戦った方が健全だと思う。同族の殺し合いはもう懲り懲りだ。全人類が輪になって手を繋いで、歌を歌おう。それが叶うならAIが敵になってもいいと思う。
今後の人類史においてAIは欠かせないものになるだろう。そしてその上で1番大事になってくるのは、AIを上手く使いこなす技術だ。
たしか去年だったかな。伝説的なバンドであるビートルズが超久しぶりにシングル曲を出した。その際、ボーカルのジョン・レノンの歌声はAIによって細かく再現された。故人の歌声が現代の最新技術によって蘇ったのである。賛否あるかもしれないが、俺は素晴らしい事だと思った。大昔のバンドが最新技術によって擬似的に蘇ったのだ。
最近たまたまYouTubeで、故人であるカート・コバーンがレディオヘッドのクリープを歌っている動画を見た。もちろんカートの歌声はAIによって生成されたものだ。クオリティや再現性はあまり高くなかったが、所々でカートの声に酷似してるところがあって、ちょっとだけ感動した。でもなんかカート・コバーンを汚されてる感じもした。だから、ちょっと複雑な気持ちだ。
遠い未来、AI技術やロボット技術によって、死んだ人を限りなく生前に近い状態で蘇らせるみたいな発明がされるかもしれない。
死者を甦らせるのは倫理的にどうなんだって問題はあるけど、現段階でも、死んだ愛犬の細胞から人工的に作られたクローン犬とかの技術は存在するし、その技術とAIを応用すれば死んだ人とそっくりな人間を作り出す事だって決して不可能な話ではないはずだ。
個人的には死者を蘇らせるのは反対ですけどね。その人やペットの魂とか尊厳を愚弄する行為になりかねないから。
生前、遺書とかで「俺が死んだらAIで俺を蘇らせてくれ」って書かれてたら話は別だが。
AIとかクローン技術が進歩しすぎると、その人の固有の命が軽んじられる可能性も高くなると思う。
人権とか倫理の問題は大きい。
昔、ロボトミー手術を生み出した医者がノーベル賞を貰っていたが、ロボトミー手術は人の尊厳や人権を奪ってしまうものだ。
ちなみに日本ではロボトミー手術を受けた患者が執刀した医者を殺害した事件が起こっている。
人間らしく生きるとは何だろう。俺は少しそんな事を考えた。
俺の姉は躁鬱に苦しんでいる。事件を起こして警察沙汰になったこともある。それでも俺は姉の感情を消したいとは全く思わない。姉が抱く暗い気持ちも明るい気持ちも全てその人の固有の財産だからだ。
生きるとは、人権とは、倫理とは。
AIに触れているとそんな事をどうしても考えてしまう。
何もかもAIが作ったり判断してしまうなら、一体人間の存在価値はどこにあるのだろう。
人間らしさとは何だろう?
今の人類は、それを考える段階に入っていると思う。このままAIの技術が進歩し続けたら、我々が「人間」という動物として生まれてきたアイデンティティすら消えてしまう日が来る。
俺達は心と血と肉と骨と体温のある人間だ。AIには無いものを俺達は持っているんだ。
AIなんかには到底掴めないものを、俺達は生まれながらにして持っている。
◆
今から書くことは、あまり書くべき事では無いかもしれない。だけどあえて書く。
俺の身内に不幸がありました。じいちゃんが亡くなった。だけど落ち込んではいないです。老衰という形で苦しむ事はなく眠るように亡くなったので、その点は良かったと思います。今日、じいちゃんの遺体に会いに行きますが、その場では「感謝」と「お疲れ様」って気持ちを伝えたいです。ゆっくり寝てねって言いたいです。じいちゃんとの思い出はいろいろある。じいちゃんとキャッチボールもしたし、色んな野球の話もした。王貞治とか長嶋茂雄の話を聞いたりした。俺が野球をしているといつも応援してくれた。そんなじいちゃんだった。とりあえず、安らかに眠ってね。墓参りにも行くよ。大好きだよ。
終わり
俺はAIにハマってる Unknown @unknown_saigo
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