蝉生る薄緑見し鳥一羽壁になるかと迷いける我

蝉生せみうま薄緑うすみどり見し鳥一羽壁とりいちわかべになるかと迷いける我




季語は、蝉生る。地中から這い出て、羽化をする蝉の様子です。

薄緑、は羽化中の美しい羽の色です。時間を経て、いわゆる蝉の羽の色になります。


穴から出てくる蝉を捕食しようと待ち構える鳥。

鳥はただ静かに、蝉の羽化を見ている。


それを見かけた、自分。


蝉も、鳥も。

どちらも、生きるための営みをしているだけ。


どうする。

壁となり、蝉を守るか。自然に任せるか。


……悩む。



蝉は、基本的には夜の羽化が多いそうです。

そのため、鳥が蝉を捕食をするのは羽化をしたばかりの蝉ではなく、日中の蝉かと思われます。

ただ、まだ明るい18時頃や前日が雨のために蝉の羽化の時間がずれて、などということもあるようでしたので、この首を作りました。


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