最終章 美しい歌を晴れやかに
神話を壊せ
銀色に煌めく刀が、虚しく空を切る。
滑らかな刀身に、セイは大粒の涙を溢した。
「どうした? 早くしろ」
「離せ!」
終焉ミカの手を振り払い、セイが叫ぶ。
刀を無造作に放り投げて、セイは彼女にしがみついた。
「目を覚ませミカ! 戻ってこい!! ミカ!!」
「くどい!」
終焉ミカに何度痛めつけられても、その度に立ち上がって呼びかける。
土埃と傷に塗れたセイの首を締め上げて、終焉ミカが怒りをぶつけた。
「巨神カムイが、我の前でこれ以上無様を晒すな」
「うるせえ! 俺はカムイである前にセイだ! ミカのパートナーのセイなんだ!!」
終焉の力を宿した腕は、細さに反して万力のように強い。
体中の酸素が搾り取られていくのを感じながらも、セイは途切れ途切れに訴えた。
「思い出してくれ、ミカ……」
「まだ言うかァ!」
終焉ミカは腕に力を込め、セイの首をへし折ろうとする。
しかしその瞬間、彼女の腕を強烈な痺れが襲った。
終焉ミカの意志に逆らうように痺れは全身に広がり、苦痛となって体内を暴れ回る。
彼女が堪らずセイを手放すと、セイはようやく呼吸を取り戻した。
小刻みに荒い息をして、ぼやけた意識を鮮明にする。
心の奥底に追いやられたミカの意識が、セイに手を伸ばして訴えかけた。
「セイ……!」
ミカは懸命に抵抗し、終焉の王を自分の中から追放しようとしている。
何か決定的な一押しがあれば、ミカを助けられるかもしれない。
ミカの力を引き出せるような何か。
考えた末、セイは深く深呼吸をした。
「聞いてくれ。俺の歌を」
伴奏も決められた歌詞もない、歌というにはあまりに稚拙な叫び。
ミカの意識を抑え込みながらも、終焉の王は思わず失笑した。
「何をするかと思えば……貴様、血迷ったか」
終焉の王の侮蔑など意にも介さず、彼はただひたすらに歌い続ける。
耳障りな雑音を消し去ろうとした瞬間、終焉ミカは激しい痛みに襲われた。
「歌姫の力が増している!? まさか、こんなふざけた歌で……!」
「ふざけてなんかない」
意識の深層から、ミカの声が響く。
混乱する終焉の王に、彼女は堂々と言い放った。
「セイは私のために歌ってくれてる。今日までの思い出を、明日からの希望を。心を込めて!」
セイとミカの心が重なり、二人は眩しい光に包まれる。
闇の鎖に縛られたミカに、セイが真っ直ぐな手を差し伸べた。
「……うん!」
ミカは大きく頷き、渾身の力で鎖を引き千切る。
そしてセイの手を取り、彼女は闇から抜け出した。
「おのれェえええェ!!」
終焉の王の怨嗟が響き、二人の意識は現実へと帰還する。
ミカの体内から抜け出た終焉の王が、黒い煙となって空に舞い上がった。
「虫ケラどもがァッ!!」
煙は再びジエンドラとなり、血走った眼でセイたちを睨み据える。
セイとミカは手を繋ぎ、ジエンドラを真っ向から睨み返した。
「全てを終わらせるぞ」
「うん。私たち二人で」
「お前らだけじゃないぜ!!」
叫び声と共に、凄まじい足音が近づいてくる。
ジエンドラすらも怯ませるほどの勢いで現れたのは、セイたちの見知った顔ぶれだった。
アラシ、シナト、ミリア、オボロ、シイナ、シン、リョウマ、ユキ、ハタハタ、ハル。
そしてこの世界で生きる全ての人たち。
予想外の救援を前にして、セイとミカは呆然と立ち尽くした。
「お前たち、どうして」
「この世界の一大事、黙って見過ごすなんてできんぜよ!」
「そうそう。ビビってるなんて、やっぱりシイナたちらしくないよねっ!」
リョウマとシイナが明るく答える。
現実を受け入れられないとばかりに、ジエンドラは激しく狼狽した。
「貴様ら……千年前と同じ状況に追いやったというのに」
「例え文明を壊しても、心は未来に進み続ける。儂らは、千年前とは違う」
「僕はやめたんだ。一人で背負うことも、一人に背負わせることも!」
「終焉の王! 今度こそ完全に、葬り去って差し上げますわ!!」
オボロ、ユキ、ハタハタの言葉に、ジエンドラは更に追い詰められる。
最後にアラシが先頭に立ち、地平線まで届くほどの大号令を発した。
「みんな! オレたちの……人間の意地を見せるぞぉおお!!」
人々の雄々しき咆哮を背に受けて、守護者たちが先陣を切り走り出す。
セイとミカも後に続き、ジエンドラへと果敢に挑んでいった。
「面白い。遊んでやる」
ジエンドラは無数の怪物を召喚し、アラシたちとの白兵戦を演じる。
死闘の火が広がっていく中、セイとミカはミリアと居合わせた。
「どうだい、辞典は役に立つだろう?」
分厚い辞典の角で怪物を殴りつけながら、ミリアが言う。
彼女は辞典を振るって道を拓き、セイたちを安全圏へと連れ出した。
「二人とも凄い傷だな。私が手当てをしよう」
ミリアは医者から道具を借り、手際よく応急処置を開始する。
傷口を消毒しながら、彼女はぽつぽつと口を開いた。
「……ありがとう」
「えっ?」
「私だけでは、戦う勇気は出なかった。我々をここまで奮い立たせてくれたのは、君たちだ」
ミリアはそう言って、少し前の出来事に想いを馳せる。
全ての国民ごとドトランティスに強制隔離された時、彼女はこう決断を下していた。
「我々は、千年を繰り返す」
「……どういうことだ」
「どうもこうもない。我々は戦いが終わるまで、それぞれの場所に身を隠すのだ。そして終焉が去った後、地上に引き返す」
シンの問いに、ミリアは澱みなく答える。
それは今まで作り上げてきた文明を、ひいてはセイたちを見殺しにすることを意味していた。
「私とて本意ではない。だが客観的事実として、我々がいかなる攻防を行おうとも事態の解決は見込めない」
「それは俺たちが引っ込んでるからだろ! 今すぐ戻ってセイたちに加勢するんだ、そうすれば」
「シナト君!!」
反論するシナトを、ミリアは無理やり黙らせる。
震えるミリアの頬に、一筋の涙が伝った。
「我々は死力を尽くして戦った。人工巨神クーロンを建造し、大災獣を退け、ディザスすらも味方につけた。それでも駄目だった!」
結局地上は壊滅し、千年前と同じ選択を迫られている。
今までになく感情を剥き出しにして、彼女は演説を続けた。
「これ以上の抵抗は、無駄な犠牲を増やすだけだ。我々はここで脅威を凌ぎ、次の文明の礎を作る。終焉の王を倒せるほどに強い文明の礎を。それこそが……カムイの意思だ」
ミリアの言葉は僅かに残っていた徹底抗戦の意思を掻き消し、一人また一人と彼女への同意を表明する。
シナトですら傾きかける中、アラシだけが彼女に相対し続けた。
「オレは納得できねえ」
「……まるで子供のワガママだな」
「ああ。初代カムイも終焉も、オレは両方気に食わねえ」
理詰めの結論を、アラシはあまりにも感情的に一蹴する。
彼は更なる熱量で続けた。
「世界はオレたち人間のものだ! 例え神様だろうと、オレたちを除け者にするなんて許さねえ!!」
「無駄な犠牲を増やさないためだ!」
「今戦わなかったら、それこそ無駄な犠牲だろうが!」
燻っていた闘志を刺激され、守護者たちは懊悩する。
ミクラウドのシンが、真っ先に沈黙を破った。
「俺はアラシに賛同する」
「シン!」
「神だの人だのはどうでもいい。俺は兄として、妹を守らなければならない」
個人的な動機だが、だからこそ命を懸けられる。
シンの言葉を皮切りに、守護者たちは次々と声を上げた。
「呆れたな。アラシの無茶苦茶には」
シナトは小さく呟き、そっとアラシの肩に手を置く。
アラシを中心に団結する守護者たちの姿を見て、ミリアは口元を綻ばせた。
「アラシ君」
「あ? まだ何かあんのかよ?」
「戦いには知恵が必要だ。……私も行こう」
ミリアの宣言に、アラシの顔が輝く。
彼の隣に立ち、ミリアは天高く拳を突き上げた。
「終焉の阿呆に教えてやろう! 我々は、神話などに収まる存在ではないと!!」
守護者たちは心を一つにして、民の前に姿を現す。
そして彼らは結界を突き破り、地上へと帰還を果たしたのだった。
「……さて、手当ては終わりだ。もうひと暴れするとしよう」
ミリアは立ち上がり、再び大乱戦の中に飛び込んでいく。
襲いかかってきた三体の怪物を、同じく三つの影が蹴散らした。
「さあ、早く行け!!」
シン、シナト、ハルは声を揃えて叫び、ミリアの進む道を切り開く。
ミリアはアラシたちと合流すると、七人で最後の怪物を取り囲んだ。
「はあぁあああッ!!」
守護者たちの一斉攻撃が炸裂し、怪物は黒い煙を上げて爆散する。
しかしジエンドラは怪物だった邪気を取り込み、更に巨大な姿となった。
「無駄なことを。滅亡こそがこの世界の運命なのだ!」
「それなら覆すまでだ」
セイとミカは立ち上がり、ジエンドラの叫びを真っ向から跳ね除ける。
二人は人の波を切り拓いて歩き出し、この世界を代表して仲間たちに声をかけた。
「みんな、ありがとう。後は俺たちに任せてくれ」
「おう、バッチリ決めてこい!」
アラシに背中を押され、セイとミカはジエンドラの方に向き直る。
光を取り戻した勾玉を握りしめ、セイが叫んだ。
「生きる意思がある限り、俺たちは未来に進み続ける。お前の齎す終焉なんか踏み越えて先に行く! これが神話を超えた、俺たちの絆だ!!」
「これで最後にしよう。セイ」
「ああ……最後の!」
「超動!!」
走り出す二人をヤタガラが包み、彼らはカムイカンナギへと変身を遂げる。
雷の大太刀を構えて猛進するカムイカンナギを、ジエンドラは真正面から受け止めた。
「我は終焉そのもの。攻撃など通じんわ!」
「うるせえ!!」
カムイカンナギの一撃を受け、ジエンドラの体が吹き飛ばされる。
久しく感じることのなかった痛みに打ち震えながら、ジエンドラは呆然と呟いた。
「何故だ、何故」
「知るか!!」
ジエンドラに攻撃が通じる理由は、セイたち自身にも分からない。
ただ、諦めない心と繋がりの力が起こした奇跡という他なかった。
散々不条理を振り翳してきた因果が巡ったかのように、ジエンドラは理屈を超えた奇跡に追い詰められていく。
仇なす全てを葬り去らんと、彼は最大の力を解放した。
「この星諸共……塵と化せぇッ!!」
放たれたドス黒い闇の波動が、大地を抉りながらカムイカンナギに喰らいつく。
この世の全ての絶望を集めた一撃を受け、カムイカンナギは大きく押し返された。
彼は懸命に踏ん張ろうとするが、闇は容赦なくカムイカンナギを呑み込んでいく。
あれだけの奇跡を起こして尚、終焉には敵わないのか。
再び暗雲が立ち込めかけたその時、誰かが叫んだ。
「頑張れ、カムイ!!」
守護者でも超動勇士でもない、名もなき誰かの叫び。
それは次々に伝播していき、いつしかこの戦いを見守る全ての人へと広がった。
世界中の希望を背負って、カムイカンナギは少しずつ前進する。
苛立ちを剥き出しにして、ジエンドラが攻撃の威力を強めた。
「ぐああっ!!」
しかしカムイカンナギは決して怯まず、進撃を続ける。
ジエンドラに極限まで肉薄した時、彼の変身は遂に解かれた。
「ぬぅん!!」
カムイカンナギ––セイとミカを消し炭にすべく、ジエンドラが最大火力をぶつける。
闇の塊に呑まれる刹那、二人は最後の力を振り絞って雷の大太刀を振り下ろした。
一瞬とも永遠ともつかない時間の中、光と闇が全存在を懸けて激突する。
そして戦いの果て、世界は––。
—————
人間の時代へ
「……というわけで、カムイとみんなの活躍で世界は救われました! めでたしめでたし!」
紙芝居の最後の絵を見せて、セイは愛想のいい笑顔で拍手をする。
しかし返ってきたのは、子供たちのあまりに残酷な感想だった。
「つまんなーい」
「えっ!? 面白かっただろ!?」
「お話はね? でもお兄ちゃんの演技力で全てが台無しになってる」
子供たちの大人びた言葉に、セイは反論できなくなって崩れ落ちる。
啜り泣くセイの背中を掴んで、アラシが真顔で言った。
「おい、さっきハルが呼んでたぞ」
「お師匠が!? どこどこ!?」
セイは紙芝居の道具を片付け、弾かれたように外へ飛び出す。
最終決戦から一ヶ月後、人々は荒れ果てた地上の復興に着手していた。
「みんな、一旦休憩ぜよ!」
リョウマの号令で、部下たちは水分補給や食事のために散開していく。
手にした鍬を地面に立てて、リョウマは仲間と耕した畑を見渡した。
「ここの土も、だいぶ形になってきたぜよな……」
本来の農地には程遠いが、それでも確実に畑としての機能を取り戻しつつある。
ラッポンの国民たちも武士と百姓の別なく農作業に取り組んでおり、仕事を通して更に仲が深まったように見えた。
「頑張っとるのう、リョウマ」
「オボロ爺!」
オボロはリョウマの肩に止まり、青色を取り戻した空を見上げる。
散々と輝く太陽に目を細めて、彼はぽつりと呟いた。
「神話の終わりというのは、案外泥臭いものじゃのう」
「それは多分畑の近くにいるからぜよ」
「ほほっ、違いない。さ、そろそろ食事にするかのう」
リョウマとオボロは笑い合い、畑を離れて炊き出しに向かう。
同じ頃。
海岸ではシイナとハタハタが釣り糸を垂らし、獲物がかかるのをじっと待っていた。
「さあおいでなさいお魚たち……今日のお夜食にして差し上げますわ……」
「目が怖いよハタハタ……。釣りはもっと楽しく」
「っしゃあかかりましたわ!! シイナ手伝って!!」
「う、うん!」
シイナはハタハタにしがみつき、二人で獲物との死闘を繰り広げる。
長い力比べの末、シイナたちは遂に魚を釣り上げた。
「獲ったどー!!」
「ですわー!!」
大きな魚を天に掲げ、二人は勝利の雄叫びを上げる。
守護者の仕事は山積みだが、今だけは童心に帰って魚釣りを続けるシイナとハタハタなのだった。
「ミリア殿、いるか?」
ユキは軽くノックをして、ドトランティス書庫の扉を開ける。
ミリアは学術書から顔を上げると、重装備の彼を出迎えた。
「行くのだな、ユキ君」
「ああ。シヴァルの凍土を調査して、復興への足がかりにしてみせる」
これまで挨拶に向かったセイや守護者たちは、彼の決断を快く後押しした。
しかしミリアだけは怪訝な顔をして、ユキに質問した。
「調査には、君一人で行くのか?」
「……いや。ブリザードと、シヴァルのみんなも一緒だ」
ユキの答えを聞いて、ミリアはようやく安堵の表情を浮かべる。
同僚としての親しみを込めて、彼女は気安い口調で話しかけた。
「仲間がいれば、凍土でも暖かいな」
「ああ。みんながいてくれて嬉しい」
ユキは照れも躊躇いもなく言う。
頼れる仲間と頼る強さこそ、彼が戦いの中で得た最高の財産なのだ。
「……もう行くよ。みんなが待ってる」
「気をつけてな。それと、定期連絡を忘れないように」
「分かってる」
他愛のないやり取りを交わして、ユキは書庫を後にする。
読書を再開しようとしたのも束の間、彼と入れ替わるように子供たちが室内に雪崩れ込んできた。
「ミリアお姉ちゃんっ!!」
「な、何だ? どうした?」
「アラシお兄ちゃんがね、お姉ちゃんが暇そうにしてるから遊んでやれって言ってたの! だから遊びに来たの!」
どうやらアラシの差し金だったらしい。
ご丁寧に書庫までの道を記した地図まで持たせてある。
子供をけしかけてまで悪戯したいのかと、ミリアは改めてアラシの幼稚さに呆れた。
「……子供は苦手なのだが」
「どうしたのお姉ちゃん?」
「何でもない。そういえば、アラシ君が暇だ暇だと喚き散らしていたぞ」
「暇だ暇だと喚き散らしていたの!? 大変だ、すぐ行かなきゃ!」
子供たちは一致団結し、アラシの元に駆け出していく。
慌てふためくアラシの姿を思い浮かべて、ミリアは不敵に微笑んだ。
「たまにはこういう小競り合いも悪くないな。……なあ、アラシ君?」
「ぶえっくしょい!」
空っ風に鼻を擽ぐられ、アラシは盛大なくしゃみをする。
瓦礫を運んでいたシナトが、振り向いて言った。
「風邪か?」
「いや、多分誰かが噂してるだけだ」
「おーい!」
作業に打ち込む二人の元に、ミカとシンの兄妹が駆けてくる。
アラシたちは無邪気な笑顔を見せると、積み上がった瓦礫の山を指差して言った。
「お前らも来たか! 早くあそこの瓦礫をどかそうぜ。新しいクーロン城をさっさと作りたいからな!」
「貴様の都合など知らん」
「みんなの家が優先」
シンとミカはアラシの話を突っぱねながらも、息の合った動きで瓦礫を片付け始める。
彼らの話し声を遠くに聞きながら、セイはハルと二人きりで向かい合っていた。
「本当に逝っちまうのかよ、お師匠」
「ああ。生者の世界に、死者がこれ以上留まるわけにはいかない。……お別れだ」
ハルの体が徐々に透き通り、光の粒子となって空に溶けていく。
涙を堪えるセイに、彼は明るく言った。
「泣くなよ。今生の別れじゃないんだ。俺は生まれ変わってお前に会いに行く。お前が進み続ける限り、俺たちの道は繋がってる」
「お師匠……」
「その時はお前のこと、『お師匠』って呼ばせてくれ」
ハルの最期の願いを、セイは涙ながらに受け入れる。
そしてセイは瞬き一つせず、ハルの死を見届けた。
「ありがとう、お師匠」
ハルとの思い出を胸に仕舞い、セイは溜まった涙を拭う。
彼が振り返った先には、ミカたちとリンが立っていた。
「セイ」
「……ああ」
セイはミカの手を取り、仲間たちの元に戻る。
子供たちの無邪気な足音が、大きくなって押し寄せてきた。
「あいつら、ミリアに丸め込まれやがったな!」
「まあいいじゃないか。俺たちが守った世界を生きる子供たちだ。存分に可愛がってやろう」
「ふっ、違いない」
アラシとシナト、シンは微笑みを交わし、掌を重ねる。
そこにセイとミカも加わり、五人は輪になって誓い合った。
「私たちは一人じゃない。お互い助け合って、どんな困難も乗り越えていく」
「それが俺たちの、超動勇士の誓いだ! みんな!」
五人は呼吸を揃え、重ねた掌を一斉に突き上げる。
何処までも広がる青空に向かって、彼らは高らかに戦士の合言葉を叫んだ。
「超動!!!!!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます