家族
成人式の式典が終わり紗希をお迎えに行った。
紗希は、オレの車を見つけると嬉しそうに車に駆け寄ってきた。
か、かわいい〜。
飼い主が帰ってきたときのワンちゃんみたいじゃんっ‼︎
そんなかわいい紗希を車に乗せてお家へと向かった。
車の中では、懐かしい友達話を聞かせてくれた。
夜にプチ同窓会が行われるみたいだが、紗希は仲のいいお友達と今度遊ぶ約束をしているからそれで充分だと満足そうに微笑んだ。
なので明日は、オレも紗希も休みだから二人でお祝いをすることとした。
紗希は、もう二十歳を迎えているのでお酒が飲めるのだけれど、あまり得意じゃなかったらしい。
まぁ、オレもあまり得意じゃないのでジュースでの乾杯となった。
オレは昼間に唐揚げやサラダ、ピザや餃子などのご馳走を用意していたので、二人でご馳走をたんまりと食べた。
紗希が朝、餃子とか言ってたから無性に食べたくなって餃子を盛りだくさん用意した。
餃子を食べながらオレは紗希に朝のことを聞いてみることにした。
「そういえば紗希、朝言ってた餃子になりたいって何?」
「グフっ」
⁇
紗希を見ると紗希がむせていた。
「おい、紗希大丈夫?」
「ゴホッ…ゔ…うん…だ、大丈夫…です」
全然大丈夫そうではなかった。
なので紗希が少し落ち着くまで背中をさすった。
しばらくすると紗希が餃子の話をしてくれた。
「あの…実は、わたし餃子が…好きです」
といきなりの餃子大好き発言。
「うん、そうだね。紗希は、確かに餃子大好きだよね。」
「はい、、それで…よく二人で餃子作りましたよね。」
「ああ、そうだね。懐かしいわ」
「はい…それでいつも思っていました。わたしも…つ…つつ…つ…」
「え、大丈夫?紗希まだ喉に詰まってるんじゃない⁉︎変なとこにさっきむせたやつ入っちゃったんじゃない?」
と心配した。
「いえ…それはもう大丈夫になりました。あの…それで…わたし…気持ち悪いいもうとなんです。」
といきなりこっちを振り向く紗希。
気持ち悪いいもうとって…⁇
「紗希は、かわいいよ?気持ち悪いなんて一度も思ったことないよ?」
なんなら…めっちゃかわいいよ‼︎なんて口に出して言えないから心で叫んだけどね…。
「いえ…たぶん…今から嫌われます。」
⁇
「どうした?オレは紗希を気持ち悪いなんて思わないから言ってごらん?」
…
「あの…実は…」
「うん、どうしたの?」
「実は…わたしは、いもうとのぶんざいでお世話になりまくってお荷物だったにも関わらず…餃子を包みながらいつも…おにいちゃんにずっと包まれていたいって…このままいつまでもずっとずっとそばにいたいって…育てていただいたのに、まだ心の中で包まれていたいと要求しておりました。気持ち悪いですよね…。」
「あー、だから餃子か。紗希のその包んでもらいたいって思う気持ちは、オレのせいかもしれないんだ。」
「え?」
紗希は、驚いた顔をしていた。
「あの…オレがいもうと離れしてなかったからさ…それにオレ、ちまたの親みたいに贅沢とか存分に甘えさせてあげる器の大きさを兼ね備えてなかったから…だから紗希がそんな気持ちになっちゃったのかもしれない。ごめんな。紗希…」
「おにいちゃんが謝らないでください。わたし…好きなんです。」
「うん。オレも紗希が好きだよ。」
「えと…わたしは、おにいちゃんの好きとは違うんです。でも‼︎わたし…これ以上おにいちゃんのお荷物になりたくないのでおにいちゃんの前から消えます」
と、まさかの消えます発言。
…
紗希…
オレは思わず紗希を抱きしめていた。
「紗希、実は…オレもさ…にいちゃんっていうよりか、紗希を一人の女性としてみてたんだ。だから…だからオレ皮になるよ」
「え?」
「紗希をずっと包み込みたい。結婚しよう」
「はいっ」
紗希は、涙を流してオレにこたえてくれた。
まさかオレはプロポーズで皮になる発言するなんて夢にも思ってなかったけど、それよりも紗希がオレと同じ気持ちでいてくれたことに驚いた。
こうしてオレたちは、天国の両親たちへ二人で挨拶した。
親もまさかオレたちが結婚するとは、思わなかっただろうな。
おにいちゃんからの夫。いもうとからの妻なんてだれが想像しただろ。
少なくともオレは全く想像していなかった。
でも‼︎
これからは、しっかり紗希を包み込んで家族ごっこじゃなくてほんとうの餃子…いや、家族になれるように頑張ろうと思う。
おしまい♡
どうやらリアルおままごと拒否したせいで神様に見放された模様です 猫の集会 @2066-
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