どんな虫?
紗希を送り届けて家に帰ったんだけど…
あれからずーっと紗希の温もりが忘れられない。
…
あれかな…
オレは今まで一度も彼女いなかったからヘンに紗希に依存してしまっているのだろうか…?
もしかしたら紗希も同じ現象に陥っている可能性があるな。
これは危険だ。
きょうだいで沼っていたりする…?
まぁ…そうだとすると…オレのせいなんだけどさ。
う…ーん…
どうやって沼から抜け出すか…。
もうさ、この際…一回沼にズブズブに二人して溺れてみる?…なんてクズな考えを危うく実行するところだったぜ。
そんなことは、いけません。
危険ですっていわれているのに足を踏み入れるなんて有り得ないことだ。
で、どうするって…
うーんとー…どうする?
ハグしなきゃいいのか?
そもそも、きょうだいのスキンシップってどんな感じなのだろう?
そもそもがスキンシップとかしないんか?
オレの距離感がおバカなのか⁇
もう、何が正解で不正解なのかわからないです。
しばらく距離おいたりする?
いや、それは選択肢にございません‼︎
だって…それじゃあ紗希が困っているときにすぐに気づいてあげられないし、助けてあげられないからな。
やっぱり今まで通りが一番いいな。
オレは…。
でも…紗希は、どうなんだろう…⁇
ふと気になって紗希に連絡してみた。
にいちゃんって…虫に例えるとなんだろう?と。
うるさいと思っているなら五月蝿って言われるだろうよ。
そしたら、少し距離感考えなおそう。
でも紗希の答えは、まさかのアリさんだった。
いつも一生懸命でしょ。そんなアリさん尊敬します。とお褒めのお言葉を頂戴いたしましたがな。
嬉しいけど…紗希は、きっとオレに気を遣ってくれたのだろう。
なんて優しいいもうとなんだろう。
そしてなんてくだらない質問をするアニなのでしょう。
かまってちゃん…ってかさ、犬系男子かよ‼︎
褒められたから、嬉しくて今から家まで凸しちゃうぞ?って…
やっぱりキモいよねー。
オレはありがとうと返信した。
すると紗希も、わたしは?どんな虫ですか?ときた。
紗希は…なんの虫なのだろう?
蝶々…かな。
黒と青のきれいな珍しい蝶々なのかもしれない。
美しさのなかにもどこか…何かを秘めているみたいな神秘的な…そんな感じがした。
だからキレイな蝶々かなとこたえた。
紗希は、嬉しそうな絵文字をくれた。
紗希…もっと親に甘えたかっただろうな。
甘える人もいないまま大人になっていく紗希は、蝶のようにどこかにとびたつのかな。
蝶っていつもヒラヒラと飛んでいるけど、安定した住処ってあるのだろうか?
雨の日は、どうしているのだろう?
いつも鳥に狙われているんじゃないだろうか?
…
蝶々も色々大変だな。
紗希は大学生とはいえ、いつまでオレのいもうとだ。
一般的には、ほぼ大人の仲間入り。
でも、オレにとったら出会った頃と変わらぬ小学生ってイメージが強い。
頑張り屋さんだけど、頑張りすぎるのが紗希のいいところでもあり、オレの不安要素満載なのだ。
だから、いつも一緒にいられるわけでもないから、たまに心配になる。
この間、暑かったと思ったらいきなり寒くなったけど紗希は、風邪などひいていないだろうか。
心配になり、紗希風邪ひいてるだろ?
とカマをかけてみた。
そしたら、案の定…
なんでわかったの⁉︎と返事が返ってきた。
やっぱりだった。
もっと気軽に風邪ひいたーって頼ってくれていいんだけどな。
オレは紗希の部屋の前のドアノブに、ジュースとゼリーとアイスにオデコに貼るやつに紗希の好きなお菓子も入れてかけた。
そしてドアノブみて、と連絡した。
すると紗希から早速返信がきた。
おにいちゃん、買いすぎだよ…でも、ありがとうと、ハートがたくさんのスタンプも送られてきた。
こういうところか…つい親心みたいなのが出て買いすぎちゃうんだよな…
だから、紗希はオレに気を遣って風邪ひいたとか気軽に言わないのかもしれない…
それにしても、ハートとかさ…
一瞬ドキッとするよね。
まぁ、紗希はたいして意味なしハートとして送ってくれたんだろうけどさ。
紗希…早く風邪治るといいな。
オレも早く寝て休みなさいみたいな少しギャグの入ったスタンプを送信した。
続く。
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