第10話 ばれたナイショ話は全部吐けっ!

五月「速見さんがおっしゃった『付き合って半年も手を出してこないくせに一線を越えたらジゴロだった』彼氏ってお兄のことだったんですか!?」

沙織「昔の彼女を引きずって、女の子紹介したのに一切、手を出さないでフラれたお兄さんって三月さんのことなの!?」

「…うん、お前らはまず、何をくっちゃべったのか…キリキリ吐け!!」

部屋に上がってきた五月と、沙織は何故か知り合いだった。

そして大修羅場勃発の予感…

沙織「異業種間での飲み会があったんだよ」

「…保険業界と医療機関の合同飲み会って…」

沙織「正確にはね、上場企業のキャリア女性と女医さんのね」

※1990年代、どちらも未だ少ない時代でした。


「五月、お前…女医どころかまだ大学生だろうが」

沙織「え~そうなの!?あの集まりでも突出して大人びてて…」

五月「ご…ごめんなさい…人数合わせで先生から当日言われて…あたしなら絶対バレないからって…」

沙織「…桂木先生って幾つなの!?」

五月「…今年21…」

沙織「まだ二十歳ってこと!?」

五月「……ハイ」

沙織「なんで…三月さんの周りって…大人っぽい子ばっかなの~!?」

(…と沙織に嘆かれた20歳の五月の図)

https://kakuyomu.jp/users/kansou001/news/16818093079192504356


「…で?本題なんだが」

五月「……」

沙織「……」

五月「…それなんだけどさ、お兄…やっぱり、親兄妹や恋人でも知らなくても良い話ってあると思うのよ」

沙織「そ…そうそう、ここは広い心でもってさ」

「お前らの言うことは一理あるが…バレちまったナイショ話は別だ!キリキリ吐け!」

二人「「ひええ~」」


「…で?『付き合って半年も手を出してこないくせに一線を越えたらジゴロだった』彼氏ってのはどういう意味だよ!」

沙織「もう!言葉通りの意味だよ!あたしが酔い潰れた初デートから、ず~っと手付かずだったじゃん!最初はどこの草食動物かと…」

五月「ぷっ!お…お兄が草食動物…」

「う・る・せえ」

沙織「そ…それが何よ~一旦一線を越えたら、どうすればあんなエッチが!」

「まて!沙織。分かった!それ以上は言うな…」

五月「毎回、気絶して記憶なしでしたっけ!?」

沙織「そ…そうよ!あんなの食らったら…次の日仕事にならなくなっちゃうのよ~」

五月「お兄?沙織さん本当に悩んでたわよ?自重しなさい?」

「…はい…」



五月「…さて、あたしの話よね」

「…待て五月、良く分かった。確かにお前の言う通り、親兄妹でも恋人でも…」

沙織「引きずった昔の彼女って『実乃里』さんのことよね?じゃあ一切、手を出さないでフラれた女の子って?」

五月「よくぞ聞いてくれました!」

「待て五月!俺が悪かった!!」


―次回、昔話っ!!―







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