一振りの 偃月刀を 携えて いにしへの戦士 国境を越ゆ

2023年10月7日

パラグライダー部隊による地上降下とブルドーザー部隊によるガザを封鎖するフェンスの破壊で始まった「アクサの洪水」作戦。

あの日行われた目を覆いたくなるような非道なテロの数々は、今までどのような歴史的な経緯があり、どれほどの遺恨があったとしても正当化できるものではありません。


その一方で、壊されたフェンスを次々と越えていった人々の心情を思うと、あのフェンスに象徴される「天井のない監獄」という言葉の意味が重く心にのしかかってきます。


あの日SNSに出回っていたある短い動画には、いかにも「歴戦の戦士」といった風格の熟年の男性が、見事な雄っぱいをたゆんたゆんと揺らしながら、偃月刀を片手に国境を歩いて越えていく姿が映っていました。

どこまでも澄み渡る真っ青な空のもと、あの空にも負けない晴れ晴れとした笑顔で戦場へと旅立った彼は、もうとうの昔に神のみもとに旅立ったのでしょう。


彼がおそらく危険なテロリストであったことは疑う余地がほとんどありません。

そして、彼が加担したであろうハマスの蛮行について、正当化できる余地はありません。


それでも、彼があの日浮かべていた笑顔を、私は決して忘れることができないでしょう。


理不尽に生命を奪われた全ての人々の魂が安らかでありますように。

そして、怨恨と復讐に囚われた人々の心が、いつか平和を思える日がきますように。

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戦争短歌集 歌川ピロシキ @PiroshikiUtagawa

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