第八話
ワシントンD.C.に早々にたどり着いた。世界大会予選の終了日まで二日早く着いたので一日中ホテルのベッドにいる。何千キロも徒歩で走破したら身体中が軋んできて、全てが億劫になる。なるんだよ。
「ジャック、プール行こうよ」
「えー」
「行くぞ!!」
「せっかくテスラの金でホテル貸し切ったんだからプールで楽しもうぜ!」
「楽しそうっスね」
「ああ。そしてお前苦労しているな」
サイレンは
「僕は身長がデカすぎて服ほとんどないんだよ!だから良いじゃないか舎弟のサイレンに僕が買った服を着せても!」
「まあふざけるのも休み休みやるか。これから真面目な話するから飽きたらプール泳いだりして」
泳いで遠ざかっていくので俺たちもプールに飛び込み追いかける。
サイレンは手や足に水搔きがあったり首にエラあったりする生き物なので普通に泳ぎが上手い。
「先日精霊馬が襲ってきたと思うけど、アレは先触れに過ぎなくて世界の終わりが
迫っている。本当にごめんね」
「なんで謝った?」
「僕たちが恐怖の大王に勝てていたらこんなことにはならなかったんだ。すまない」
テスラが
「恐怖の大王に勝てなかったそうっスけど、恐怖の大王は地球を滅ぼしたあとどうしたんでスか」
「地球にもう一度文明が栄える頃、具体的に言うと二千年後に再び地球を食べるらしいよ」
「文明崩壊から何年経ったんだ?」
「千九百九十九年。来年にはまたやって来る」
あと一年で一度世界を滅ぼした災厄が再びやって来る。その前に
「でね。
「じゃあなんで
「恐怖の大王に対する方向性の違いで別れた。あっちは恒星間移民船を作って逃げるらしい。僕は徹底抗戦派」
ああ。方向性の違いで争っているから俺がスタァリン殺しても構わないのか。
「お前の弟を俺が殺していいのか?」
「人類の未来は身内の情より優先される」
急に
「すまん。余計なこと聞いた」
「いいさ。僕と君の仲だろ」
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