第四話
WWⅡの勃発を防げなかっただらしのねえ国連の後継組織として成立した寿司連。
寿司連が四年に一度開催しているのが、世界寿司死屍累々大会。
等級持ちの寿司師が各国から集まり半分くらい死ぬ。
マイナス二十度の冷凍庫の中で俺は寿司を握っている。相も変わらず
「世界大会に出るなら、等級を持たなきゃなんねえんじゃないか?」
「それは大丈夫」
「俺が手を回して三級の免許を手配した。最低限の出場資格だが」
「ご苦労」
ご苦労って目上の者が目下の者に使う言葉じゃないかと思うが。テスラは何も気にしてないようだった。
「大会で俺の手は貸せんぞ。野暮用がある」
テスラは逆立ちしたまま腕立て伏せをしている。こうして見ても百歳を超えているとは思えないほどの筋肉と寿司ニウムのオーラだ。俺はテスラサウナや
「俺の復讐は俺が遂げる」
「手助けするよ。僕にも僕の事情があるからね」
「でもね。最後の一歩は誰にも任せちゃダメだよ」
初めて知ったが
またしても
俺たちはそのプンタ・アレーナスに設営されたスタート地点にいる。集まった寿司師は出身国別に集まっている気がする。人数は約一万人。寿司師は全世界に三千万人とされているので、本当に等級持ちの上澄みの寿司師しかここには居ない。
「あー……この感じは来るね。
「なんだ?開会の挨拶でもすんのか?」
「さあ?偉い人間のお話って大抵つまんないよ。僕は
俺もお偉いさんのつまんない挨拶とか聞きたくないのでバックレたい。
そう思っているとクソでかい鳥が会場の上に来ていた。影が差してスタート地点一帯が暗くなる。
「
クソでかい鳥の上から何者かが落ちてきた。これが
寿司
「儂は無駄話をしに来たのではない」
会場を囲むように何かが空から落ちてくる。
巨大な円柱状の物体だ。土煙が凄い。
「貴様らはこの世界寿司死屍累々大会を生き残り、儂と戦う権利を得るため死に物狂いで生き残らなくてはいけない」
世界寿司死屍累々大会は予選と本選がある。スタート地点から生き残り、期日までにゴールに着くことが予選だ。そこから本選の開催地で最後の一人まで握り合うバトルロワイアルが繰り広げられる。最初から最後までバトルロワイアルじゃねえか。チームとして本選に進む寿司師連中もいるが、参加者の半分は個人だ。
「世界寿司死屍累々大会、開幕だ!!」
「まずはこの
そう言うと
「早かったな」
「はしたないからやりたくなかったけど
「寿司ニウムの溜め無しじゃこんな威力か」
巨大ロボはお返しとばかりに胸部のレンズから光線を撃ち返してくる。
また他のロボたちも会場を押し潰すつもりか進撃してくる。他の寿司師は逃げる者と立ち向かう者がごっちゃになって混乱している。
俺は押し寄せる人波に逆らい、巨大ロボに鉄火巻を向ける。
「勇気と蛮勇は異なるよ」
「これまでの修行の成果確認に一握りでもしておこうかと思う」
「アレを
そう言う
「ここは僕に任して先に進めよ。テオティワカンでまた会おう」
しかし。
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