幕間 しとど晴天大迷惑
時間は
観光客向けの看板を真剣に見つめ、トイレを探す
一人は白い仮面を被った寿司師。もう一人はカーキ色の調理服に身を包んだ熊の寿司師。二人とも赤い星を制帽に付けている。
「今、ちょっと急ぎの用事あるんだけど?」
一貫。ただ一貫で満腹にできると判断した。時間はかからないだろう。
「時間はかからん。寿司師同士の
熊の寿司師が前に出た。白面は熊の後ろで様子見の姿勢だった。
二人は
「寿司人造人間、無等級の
「寿司熊、二級寿司師のエフゲニー参る」
「一級寿司師ラスプーチン……」
二人組の寿司師は先ずエフゲニーが仕掛けようとした。
だがそれよりも速く
人差し指の上に既にマグロの赤身が握られていた。
「
瞬間、周囲は全くの闇の中に閉ざされた。
そして急激にエフゲニーとラスプーチンから寿司ニウムが欠乏していった。人間は寿司ニウムが欠乏した場合、餓死する。名詮自性とは良く言ったもので、この回転世界は
「ここで十分くらい君たちをあしらうだけで君たちを餓死させることもできるけど」
回転世界の闇に同化した
「何処だ!何処にいるラスプーチン!」
「とにかく寿司を投げなさい……」
二人組の寿司師はお互いの姿すら見失っていた。真なる闇の世界では、何も見えはしない。
「オッペンハイマー直伝の寿司を握ってあげるよ。
闇の世界に光が満ち、二人は高熱と超高濃度の寿司ニウムで破壊された。
「仮面の方は跡形もなくなったみたいだけど、熊ちゃんの方は生きているのかな?……そんなことより
もし先ほどの寿司が通常空間で握られた場合、ホワイトタワー周辺は強烈な爆風によって吹き飛ばされていただろう。
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