②『遠足日和』プロット 坂水著

②『遠足日和』坂水

(お題「終わらない遠足」)


〈起〉

 引っ越してきたばかりのミズノ家。母のマリエは、娘(五歳)の新しい幼稚園の登園拒否に悩んでいた。


〈承〉

 ある日、幼稚園から遠足のおしらせが届く。行き先はかつて住んでいた町の公園で、マリエがそれを伝えると娘は興味を示し、また「遠足までキャラ弁を作る」と言って気持ちを盛り立てる。


〈転〉

 マリエは毎日キャラ弁を作り、幼稚園のSNSでも話題になる。他の母親も作り始め、張り合うような関係となる。お弁当費用、資料検索、SNSアップなどなど、お弁当作りに疲れた頃、遠足当日となるが、雨で延期となり、またかと思いつつもお弁当を作り続ける。

 しかし、予備日も雨で延期、その後も色々(大雨、雪、台風、戦争、ミサイル、ペンギンの群れ、幼稚園教諭の駆け落ち)な事由で延期。マリエは終わらないお弁当作りに飽き飽きする。


〈結〉

 ようやく待ちに待った遠足日和、友達ができた娘は元気よく登園。送り出した後、疲労困憊のマリエは居眠りをする。遠足が終わるお迎えの時間が迫っているのに気付き、「まだ終わらなくていいのに」と呟く。

 と、けたたましく災害速報が鳴る。TVでニュースをつけると、かつてよく遊んだ見慣れた公園が破壊された映像が流れてきて、〈娘が帰らない=終わらない遠足〉に慄然とする。


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坂水

https://kakuyomu.jp/users/sakamizu

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決して時間の無駄はさせません。

その心意気で書いています。

あと、なるたけ、やらしい文章を目指していきます★

掲載中の『あるはげた日に』で、2019年10月第二回氷室冴子青春文学賞の準大賞を受賞しました。

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