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第４章 ワナ解除師 ざまあ
22 ダンジョンのワナを見破る職業
ボクは主人公ミエルだ。
職業は賢者だ。
恋人の美人武闘家みやびとギルドの掲示板を見ていた。
わりのいい依頼を探している。
武闘家 みやび
「ミエル、これなんか良いと思うさ。」
賢者 ミエル
「うん、いいね。
かかる費用ともらえる報酬を考えると、良い条件だね。」
みやび
「わたしは算数が得意になったさ。
だから、良い依頼かどうか分かるようになったさ。
ミエルのおかげさ。」
その会話に聞き耳を立てていた男性が近づいてきた。
？？？
「キミがうわさの賢者ミエルか？」
ミエル
「うわさかどうかは知りませんが、賢者ミエルです。」
「そうか、キミだったのか。
わたしは、ワナ解除師のナリルだ。」
「ナリルさんですね。
何か御用ですか？」
ワナ解除師 ナリル
「ミエル、いい気になるなよ。
賢者に希少価値があって、ＳＳＲだと言っても、ワナ解除師としての能力はわたしの方が上だからな。」
「なにをおっしゃりたいのですか？」
ナリル
「とぼけやがって。
少しはワナ解除の知識もあるのかもしれないが、専門的にワナ解除を極めてきたオレの方が上なんだよ。 調子に乗っていたら痛い目に遭わせてやるからな。」
「ようするに、ナリルさんは私のことが嫌いで、
「目ざわりだ。 消えろ。」
と、おっしゃりたいのですか？」
「いちいち、腹が立つヤツだな。
そんなことは言っていないだろうが。」
「それで、結局、なんの御用ですか？」
「おまえは俺をバカにしているのか？
おまえのようにムカつくヤツは初めてだ。」
「話が見えません。
そもそも話しかけてきたのは、あなたです。」
「話をそらすな。」
「会話が成立しません。
お帰りください。」
「はあ、おまえなんかに言われたくないね。」
「みやび、今日は雨が降りそうだから、帰ろうか。」
「ミエルが言うなら、雨が降るのだろうさ。
晩ごはんのお弁当を買ってから帰ろうさ。」
「ふん、逃げやがったか？ 卑怯者め。」
外は、雲ひとつない青空だった。
◇
ボクとみやびは、お弁当を買って、宿屋に帰った。
「ミエル、教えて欲しいさ。
あのナリルというひとは、なにが言いたかったのさ。
バカの私にもわかるように教えて欲しいさ。」
「みやび、自分のことをバカって言わないこと。」
「ごめんさ。 口ぐせになっているみたいさ。
それで、どういうことさ。」
「あのナリルってひとは、マウントを取りたかっただけだろうね。」
「マウントって、山に登ることさ。」
「栄語では、その意味だね。
光元国語では、
「オレの方が上なんだ、強いんだ。」
と、誰かをバカにすることだよ。」
「ミエルよりも賢いひとって、いないさ。
いたとしても、賢者カップルのふたりくらいさ。」
「みやびが居てくれて本当に助かっているよ。
ボクの心を守ってくれて、ありがとう。」
ボクとみやびは、宿屋で、算数の続きと国語の読み書きをして過ごした。
本日は、クエストを受けられなかったので、時間があまって、余裕ができた。
「今夜は、ゆっくりと、じっくりと、愛し合おうさ。」
「そうだね。」
翌朝、目覚めた時刻は、朝１０時すぎだった。
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