第3章 白銀の戦士 ざまあ

15 上級武器を装備した戦士

 ボクはミエル、賢者になったばかりだ。

 恋人の武闘家みやびとギルドに来ていた。


 白銀のよろいで身を固めた戦士が目立っていた。


受付

「エクスカ様、本日もご活躍ですね。」


白銀の戦士 エクスカ

「まあな、わたしの白銀のよろいは、敵の呪文を反射するし防御力も高いからな。

 そして、この白銀の剣の切れ味もバツグンだ。

 つまり、向かうところ敵なしだ。

 ハッハッハッ。」


受付

「これからも、ギルドにおちからをお貸しくださいね。」


白銀の戦士 エクスカ

「まかせるがいい!」


 白銀の戦士 エクスカは、満足そうに去っていった。

 受付嬢の笑顔が引きつっていた。


みやび

「わたしには、受付嬢は無理さ。」


ミエル

「ボクも無理だよ。」



 ボクとみやびは、ギルドの掲示板を見て、できそうな依頼を探していた。

 すると、ボクたちに声を掛けてきたひとがいた。


白銀の戦士 エクスカ

「キミが、うわさの賢者ミエルくんだな。

 わたしは、エクスカ。 見ての通り、戦士だ。」


ミエル

「エクスカ様ですか、はじめまして。

 なにか、御用ですか?」


白銀の戦士 エクスカ

「キミたちには、強い盾役が必要なのではないか?」


ミエル

「そうですね。

 強いモンスターとたたかうときには必要でしょうね。」


白銀の戦士 エクスカ

「そのときは、声を掛けてくれ。

 依頼料は高いが受けてやるぞ。」


ミエル

「そのときは、お願いしますね。」


白銀の戦士 エクスカ

「ああ、もちろんだ。」


 白銀の戦士 エクスカは、満足そうに去っていった。



みやび

「ミエルと話している間中、わたしの胸と足をなめまわすように見ていたさ。」


ミエル

「気持ち悪かったね。

 気分直しするために、あまいものを食べに行こうか?」


みやび

「賛成さ。

 うん、どうしたさ。

 わたしのことを頭のてっぺんから、つま先まで見てさ。」


ミエル

「みやびは、露出が少ない服を着ているけれど、それでも、スタイルの良さはかくせないね。」


みやび

「ミエルに見られる分には良いけれどさ。

 他の男性には見られたくないさ。

 露出が多い女性の方を見てくれたらいいと思うさ。」


ミエル

「みやびと張り合えるほど、美しい女性はなかなかいないからね。」


みやび

「ミエルには、私の中身を好きになって欲しいさ。」


ミエル

「もちろん、好きさ。

 みやびといっしょだと、気持ちが落ち着いて、ゆったりできて好きだよ。」


みやび

「わたしも、ミエルといっしょだと伸び伸びできていいさ。」


 白銀の戦士 エクスカは、他の人たちにも売り込みをしていた。

 しかし、ほかのひとたちも尊敬する振りしながらも、彼を遠ざけているようだった。


ミエル

「自慢する人は嫌われるのかな?」


みやび

「ミエルのように控えめな人がいいさ。」


 どんなに素晴らしい装備に身を固めても、満たされないようだ。

 相手をしてくれるひとがいないと、さびしいもんだな。


ミエル こころの声

『ボクは、みやびがいてくれるから、しあわせだな。』

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