第29話密議②

麻友は、真剣な顔。

「ねえ、芳樹」

「私もつぶしたい奴らがいるの」


芳樹は、しっかり頷いた。

「何でも言ってみろ」


麻友

「アイドルグループだけど、AKGは当然」

「神楽坂とローズ」

「あ・・・東都テレビのプロデューサーも」


由紀が気が付いた。

「それ、麻友が落とされたグループだよね」

「プロデューサーも?」


夏子の目が光った。

「そういうプロデューサーって、アイドルを食べるって聞いたけど?」


麻友は頷いた。

「うん、センターにする子は、必ず食べる」

「センター希望の子は、食べられる順番待ち」

「私は、そういうの嫌だから、断ったらクビになった」


君澤浩二が苦笑い。

「そういう世界も怖いね」


清水亜里沙は、少し考えた。

「サグリを入れておくよ」

「芸能プロにも、貸しがあるの」

「まあ、東都テレビに限らず、テレビ局のプロデューサーはアイドル食べ放題だよ」

「今に限ったことではないよ」

「昔から芸人と胴元は、そんなもの」

「芸人に、世間の人の性の倫理はないの」

「カラダと芸を売るのが当たり前」


芳樹は全員の顏を見た。

「SNSで攻撃を始めて・・・」

「次に証拠写真」

「金目のことは、その段階で」

「でも、それだけだと面白くない」

「コンサートとテレビ局も・・・ドカンと」


麻友が、ひるんだ。

「それ・・・死傷者が出るタイプ?」

「ヤバくない?」


芳樹はせせら笑った。

「それも、脅しだよ」

「思いっきり内角高めから顏付近を狙って脅しをかけて、その後、変化球で打ち取る手もある」

少し間を置いた。

「脅しに応じなければ、容赦はしない」


「別に俺たちは死ぬわけじゃない」


「ペンライトを振り回して・・・まるでガキみたいなオタク集団」

「そんな奴らに、見せかけのコビを振る小娘たち・・・その正体は、嫉妬と足の引っ張り合いだけは一人前、頭の中身は空っぽ、清純イメージを売りながら、金とポストのためには簡単に身体を売る」

「そして、そんな馬鹿どもを食い物にするテレビ局のプロデューサー、イベント会社、芸能プロ」

「時には、天罰も必要だ」


君澤浩二も笑った。

「いいね、確か・・・その手の仕事は、対立する組のシノギだ」

「一斉に爆破焼却してしまえば面倒がない」


清水亜里沙は冷静。


「まず、あいつらの内部抗争を煽って・・・全てあいつらの責任にする」

「そして、金の取り合いから、ヤケクソで無差別大量爆破」

「同時多発にしよう」

「そうなると、今のボンクラ警察では何もできない」


密議は深夜まで、続いた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る