子育てから逃げ出したくなる私は、母親失格なのだろうか
ちびまる
私の正直な気持ち
全身の血の気が引いた
全身が小刻みに震え
開きかけた唇からは
ガタガタと歯がぶつかる音が漏れた
帝王切開で出産した私は
輸血ギリギリだったらしい
幾度となく繰り返した不妊治療
やっと授かった命
我が腕に抱き抱くことなくこの世を去るのか
そんな思いが過ったほどだ
待ち望んだ私たちの子ども
産まれきてくれて「ありがとう」
幾度となく感謝した
熱や痛みで苦しんているとき
身代わりになりたいと
幾度となく願った
それでも私には
子どもを愛せなくなるときがある
子どもへの無償の愛
子どもへの出来うる限りの援助
それって当たり前のことなのだろうか
いったい、いつまで?
いったい、どこまで?
きっかけはいつも細やかだ
少しずつ積み重なった苛立ちが
魔物と化して自身を蝕んでいく
子どもへの表情や口調が厳しくなる
子どもへの態度が冷たくなる
そんな自分に嫌気が差して
これ以上は飲み込まれまいと
必死で子どもと距離を取る
それすらも罪悪感でいっぱいだ
幾度となく歳を重ねても
広さも深みも増すことのない私の心
母親という役割りに
私は向いてなかったのかもしれない
子育てから逃げ出したくなる私は、母親失格なのだろうか ちびまる @chibimaru5050
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます