第3話 道士になろう
あの後、正式に道士の組織に加入された。
あ、道士ってのは魔術師やら陰陽師やら色んな呼び方がある不思議な力を使う奴らを一纏めにしてそう呼んでるらしい。
なんでも剣道や柔道、果ては茶道まで極めたら呪術的な作用が発現する人も居たから剣道や柔道の“道”(みち)で中華系にはまた別口で“道”(タオ)もあるから間違えない様にしてくれってさ
「さて、改めて自己紹介だ。俺は所長であそこでノビてる葛葉二の先生、甲斐仁だ。仁と呼んでくれ。怪人じゃないからな!そこんところヨロシク」
ムキムキの所長が仁さん。覚えた
「私は向田光夫と言います。どうぞ光夫さんと呼んでる下さい。」
ここに来た時に俺を尋問してた人が光夫さん
「私は葵、癸亥葵です。正直、歓迎して良いかどうか分かりませんが、所長の決定ですし実力も確かなのでこれからヨロシクお願いします。」
あの工事現場に来て俺をここに連れてきた女が葵さんか。よし、しっかり覚えとかないとな。
「で、早速なんだが、キミが拾ってきたのが一個だけとは限らなくて似たようなのが複数バラまかれてる可能性がある。早速探してくれないか?こちらでも術が使われたら分かるんだが、封印されてると探知出来ないんでな。」
「ああ、だからアイツが撃って来た後に葵ちゃんがすぐに駆けつけて来たんですね?」
「そゆこと」
──────────
「葵ちゃん、悪いんだけど撃たれた友達の様子を見に行って構わないか?」
外回りにしばらく歩いてから俺はそう切り出す。葵ちゃんは頷いて運ばれた病院を教えてくれた。
…………え?撃ちどころが悪くて昏睡状態?内蔵にずいぶんダメージが?
病院に着いて医者からの説明を聞くとそんな話を聞かされた。フラフラと入って座り込んだ待合室には先客の工事現場の主任が座り込んでいた。
「ッス、主任。お疲れ様です」
「おう、イッサか。大変な事になったな。俺はどうすりゃいいんだ……監督責任ってのがあんだよ……」
「そういや鬼みたいなバケモノが急に現れて暴れたんですが、主任気づかなかったんスか?」
主任はうなだれたまま首をふる。
「お前はあの場に居たんだよな?いったい何がどうなったのか説明してくれないか?」
「なんか魔法が使えるヤクザみたいなのに襲わムググ」
いきなり後ろから俺の口を手で塞ぐ葵。うわっめっちゃ良い匂い。ひんやりして気持ちいいな
「魔法が使えるヤクザ………?馬鹿野郎休憩時間に酒でも飲んだのかよ。まあいい。お前もクビな。工事が止まるから。現場の休憩所に荷物取りに来いよな」
そう言って立ち上がりフラフラとした様子で帰る主任。俺達もその後に続いた。
───────
そして現在……………
「イッサ!てめぇが持ってんだろ?ゾウの置物をよぉ!アレはただの置物じゃない、それこそ魔法の力を手に入れられる!大人しく渡しな!」
信じてついて行った主任が牙を剥いて来ました(´;ω;`)ブワッ
「今度は昼間の売人みたいにらならないならんぞ!!」
主任は懐から昼間の売人も使ってた様なお守りの様なモノを自分が普段から乗り回すパワーショベルに押し付けた!みるみるウチに昼間と同じ様な5メートル程の巨人が現れる!
「イッサ君!ガネーシャの置物を!」
「おうともさ!来い!偽典ガネーシャ!」
俺は近くにあった軽トラに置物を叩きつける!
すると像そのものがブワッと広がり軽トラを包み込み昼間の様なガネーシャの像が完成した。
「見損なったぞ主任ッ!アンタの仕込みだったのか!」
主任は俺の攻撃を何発か喰らい後ろに下がって行く
「クソァ!翔太のカタキィ!死ねっ!」
「かかったなアホウが!」
ズシャアアア!!と足元が沈み込み俺のガネーシャが身動きが取れなくなる。
「フハハ!癪だがそのゾウの大鎧、かなり強いようだからな部下に指示して落とし穴をほらせておいたのさ!」
クソッ、調子に乗りすぎた……ヤバイなどうする?
「自分の、墓穴を掘らせておくとは、なかなか有能じゃないか」
嫌味ったらしい声と共に主任の悪鬼が崩れ落ちる。
その向こう側には白い狐の様な雰囲気の大鎧が立っていた
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