勝利の代償の黒歴史大量製造
ヨミとアマデウスの1v1の十本勝負を観戦している観客席は、最初の三本とは違う意味で騒然とし始めていた。
「ヨミちゃん急に動き変わるじゃん」
「チート……はあり得ないか。チーターいないくせに日に日にチート対策がガチになって、先週あったアプデで遂にチートがインストールされているデバイスじゃログインすらできなくなったって言うし」
「よく見るとさ、ただめっちゃ速くて正確な攻撃してるだけなんだよな。その正確さがおかしいんだけど」
「……なーんか、どっかであの戦い方見た気がするんだよなあ」
「い、一応真似できなくはない……のか?」
「あの子種族吸血鬼だから筋力補正値が高いのと、配信で筋力メインで伸ばしていくって言ってたから、あの速さはSTR上げてるからだろ」
「血魔術の『ブラッドエンハンス』だっけ? それもあるし」
「え、じゃあヨミちゃん最初の三本手を抜いてたってこと?」
「十本勝負とはいえなんで最初は手を抜いたんだってなるだろ」
四試合目が開始して速攻で終わらせ、先とは全くキレが違う動きに観客たちは困惑する。
チートは疑うまでもない。この運営は気持ち悪いくらい、チーターがそもそもいないのに正気を疑うレベルで対策している。
アマデウスが彼女に突っかかったように、八百長というわけでもないだろう。ヨミは昨日始めたばかりの新人で、アマデウスは十か月前に始めたプレイヤーで活動区域がまるで違う。
つまり、五戦目が始まり、いきなり一本取られるとは思ってもいなかったのか、見るからに動揺して動きが鈍くなっているアマデウスを、大きな戦斧を小さい両手でしっかりと持ち全身を使って振り回して反撃できないほど一方的に追い詰めているヨミの実力は、紛れもない本物だということだ。
♢
「『ライオットインパクト』!」
「ぐおぉ!?」
体の捻りと発条、高い筋力値によって裏打ちされた基礎攻撃力、それに乗ったシステムアシストと便乗することで速度と鋭さの増した戦斧の戦技は、大剣を楯のように構えたアマデウスに膝を突かせるほどの威力を叩き出す。
鉄が鉄に強くぶつかる音を撒き散らし、オレンジ色の火花を散らせる。
体重が軽いのですぐに押し離されるが、抵抗することなく自ら後ろにすっと引くことでバランスを大きく崩し、前につんのめってきたところに先ほどのお返しだと右足で顎を思い切り蹴り上げる。
体を反り返しながら仰向けに倒れ、素早く横に移動したヨミは処刑人のように振り上げた斧を首に向かって振り下ろし、致命の一撃を叩き込む。
ヨミが攻勢に出始めた四試合目に続き、五試合目も二分も経たずに試合を終了させた。
四試合目でいきなり一本取ったあたりから、笑いそうなくらい動きがいきなり悪くなったので、想像以上に動揺していたようだ。
”おやおやおやあ?”
”ヨミちゃんが急に覚醒した”
”昨日の配信観てたからか、なんかやけに弱いなと思ってたけどやっぱそういうことかこれ”
”ヨミちゃん、これ最初の三試合本気で手を抜いてたね?”
”手を抜いていたとなると、あの強がっているけど怯えている分からせ真っ最中のメスガキみたいな顔すら演技ということに……”
”演技派銀髪ひんぬーロリっ子とか最高すぎん?”
”ヨミちゃんはまだ成長途中なのであって決して貧乳じゃない! え、俺? ちっぱいが大好きです”
”あの赫竜王相手に戦闘狂スマイルを見せて、全力で首を狙いに行くような女の子が、人間相手にあそこまで怯えるはずがない”
”なんで最初の三試合手を抜いてたんだよwww”
”まて、なんかこの戦い方を何かで見た覚えがあるぞ。確か漫画だったはず”
コメント欄を見ていると、何年か前にヨミが読んだことのある、時間が経って物語が進めば進む分だけ味の出るスルメ系SF漫画を知っているようなコメントを見つけ、嬉しい気分になる。
今ヨミがやっている戦い方というのは、その漫画で主人公が行っていたものだ。
それを読んだ後に、とりあえず当時やっていたゲームで試してみようかと遊び半分でやってみた結果、面白いくらい相手が引っかかってくれるので、アマデウスのような感情が出やすいタイプのプレイヤー相手には積極的に使うようにしている。
「畜生……! まぐれで勝ったくせに調子に乗るんじゃねえぞ……!」
全損したHPを回復し復活したアマデウスが、大剣を乱雑に地面に叩き付けながら凄む。
六度目のカウントダウンが始まり、アマデウスは大上段に大剣を構えてすぐにダッシュできるように腰を低くする。
怒りで視野が狭くなり、無駄な力みが入って本来の強さのいくらかも出せなくなっているだろう。
二回ヨミに負けてあからさまに怒りの感情を表に出しているのを見て、思わずくすりと笑ってしまう。
その小さな笑い声が聞こえたのか、かっと顔を赤くしてより力む。
「『アバランシュバースト』おおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
大剣にエフェクトを滾らせて力強く突進してくる。
あそこまで視野が狭くなっているなら、もはや自己強化魔術の『ブラッドエンハンス』すら使う必要もないだろう。
ゴッ! という音を立てて力いっぱい振り下ろされてくる大剣を、風に吹かれる木の葉のようにひらりと難なく回避する。
「オォオオオオオオオオオオオオオ!!」
獣のような雄叫びを上げながら、技も何もなくめちゃくちゃに大剣を振り回してくる。
ただ力任せに叩き付けるように振るわれているそれは、ただ武器の重さと腕の力だけで振られており、脅威になる威力など微塵もない。
角度や体勢的にきついもの以外は全てパリィして弾き、自分の攻撃が『さっきまで負けていた相手に防がれている』と思わせることで、より動きを悪くさせる。
「そーれ!」
「がふっ……!?」
場違いなほど軽い掛け声とともに、大きくバランスを崩したアマデウスの胴体に赤刃の戦斧をぶち込んで両断する。
『おぉっとヨミ選手、これで三連続クリティカル勝ちだあ! どういうことなのでしょうか!? 先ほどまでは大の大人が大人気なくいじめるせいで怯えていた幼気な可愛らしい少女だったはずなのに、一転してその大人を手玉に取るように圧倒しております!』
「あれって本当にAIなのかな?」
実はあれもアバターで、中身にはそういう解説専門のプレイヤーみたいなのがいるのではないかと思うほど、言葉選びが中々に酷い。
めちゃくちゃ煽り性能が高そうな解説AIに苦笑を浮かべながら、さて、とアマデウスの方に顔を向ける。
「くそっ……、くそ、くそ、くそぉ!! どうなってやがる……!」
負け始めてから一度も自分が優位に立てていないことが腹立たしいのか、右の拳を何度も地面に打ち付けている。
こうした対人ゲームをしている以上負けるのは当たり前なのに、よくもそこまでと思うが、その負ける相手が格下なヨミなのが許せないのだろう。
その様子が少し面白く感じてしまい、自分の性格の悪さを嫌に感じる前に心の隅に押し込んで、にやーっと見る人が見ればものすごく腹が立つ笑みを浮かべる。
「あれぇ~? さっきまであんなに調子に乗って、大人の怖さを教えてやるとか言ってたくせに、一回負けただけで随分と情けない姿を見せるじゃ~ん。実はお兄さん、本当に弱い相手にしか強気に出られない正真正銘のざこざこプレイヤーなのぉ?」
自分で言っておきながら、自分の耳に届くその声があまりにも腹が立つ。
頬が盛大に引き攣りそうなのを必死に我慢しながら生意気な声で言うと、アマデウスの方から『ブチッ』と何かが切れるような音が聞こえた気がした。
その直後から体をぶるぶると激しく振るわせて、大丈夫なのかと心配になりそうなほど顔を真っ赤にする。
異常心拍とかで強制ログアウトを食らわないだろうなと心配に感じていると、ゆらりと幽鬼のように立ち上がり、いつの間にか始まっていたカウントダウンが終了して七戦目が始まる。
「散々大人をバカにするような発言をしてんだ……。お前が負けた後どうなるのかくらい、分かってんだろうなあ、アァ!?」
鼻息荒く怒号を上げながら突っ込んでくるアマデウス。
とにかく力任せに、ヨミが痛い思いをするようにしようとしているのが見え見えで、振り下ろされる大剣もブレブレだ。
ここまで酷くなると、もはや戦技すら必要ないだろう。
めちゃくちゃに暴れるように振り回される大剣をひらひら躱し、目がばっちりと合うたびに挑発するように笑みを浮かべる。
その都度額に青筋が浮かび上がり、ますます精細さを欠いていく。
三連勝して優位にいたはずの自分が、いつの間にか三連敗して同じ立場にいる。きっと彼は今こう思っているだろう。
何が何でも、負けた分を取り返す様に勝たなければいけない、と。
しかしそうなってしまえば、もはやヨミが広げた檻の中からは逃れることは不可能だ。
「鬼さんこちら、手の鳴る方へ♪」
斧を肩に担ぐようにしながらパンパンと手を鳴らす。
「ウガアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
ますます冷静さを欠くアマデウス。
彼は怒りすぎると逆に冷静になるタイプではなく、思い切り感情的になるタイプなのは僥倖だ。実に手の平で転がしやすい。
唾を飛ばしながら獣の咆哮のような声を上げながら、力任せの一撃を叩き込まんとする。
「ほい」
「うっ!?」
首を刎ねようと飛んできた水平の薙ぎ払いをすっとしゃがんで容易く回避し、すぱんっ、と音を立てて足を刈り転ばせる。
顔面からべしゃりと倒れ、その背中に斧を振り下ろしてHP残量関係なしに一撃で全部吹っ飛ばす。
「ぐっ、この……!」
「あっはは! なっさけなーい!」
けらけらと笑いながら挑発する。
もうこれ以上自ら黒歴史を更新しなくていいと良心が絶叫するが、煽りに煽りまくった末にアマデウスがどうなるのかが見たいという好奇心が、その絶叫を塗りつぶしてしまった。
”ヨミちゃん……”
”わっかりやすく調子に乗ってるメスガキですねクォレハ”
”挑戦者くんの動きがどんどん悪くなっていってるの草”
”もうあんなんじゃ万が一にも勝てないだろ”
”ヨミちゃん狙ってやってるよやっぱ”
”狙ってやるためにメスガキムーブするの、いいですね。実にいいです”
”さっきアマデウスの野郎に言った『雑魚』って罵りを、ぜひともワイにもやってくださいお願いします!”
”攻撃を全回避しながらめっちゃ腹立つ笑顔で「鬼さんこちら」は、マジで殴りたくなるwww”
”殴って分からせたい、この笑顔”
コメント欄も盛り上がりを見せており、意味の分からない要望などがいくらか送られてくる。
それよりも一番怖いのは、いつの間にか同時接続者数が三万人を突破していたことだ。つまりは自分のあのムーブは三万人に見られているということにほかならず、耐えきれない羞恥心でみるみる顔が熱くなっていくのを感じる。
この後、一度ワンスディアの宿に行って気が済むまで発狂しようと決め、開始のブザーが鳴って八試合目に意識を向ける。
遂にヨミの方が勝ち越し始めたことに激しく怒りながらも焦り始めたのか、殊更冷静さを欠き始める。
戦技を発動させようと大きく大剣を振り上げるが、初動を検知するよりも早く振り下ろしてしまい、エフェクトが淡くかかった瞬間に溶けるように消えてしまう。
あんまりからかいすぎるもよくないなと少しだけ反省して、攻撃全回避ではなくできる限りパリィで弾いて防御する。
繰り返し重量武器が衝突する音が鳴り響くが、無駄に力んでいるアマデウスが数合斬り合ったところで足をもつれさせて姿勢を崩してしまったので、差し出す様に前に出てきた首に振りかざした斧を真っすぐ打ち下ろした。
振り下ろした斧が地面に叩き付けられ、少し遅れてごとりと頭が落ちる。
これで五連勝目で、残りは二試合だ。
あまりにも上手く行きすぎているので本当にいいのだろうかという気持ちになってきたところで、ここにきてアマデウスが装備している大剣を変更する。
刀身はガタガタに刃毀れしており、歪なノコギリのように感じられる。
あんなもので斬られたら確実に痛いだろうなと体をぶるりと震わせ、もう当たることはないだろうがあの剣には当たらないようにしようと警戒する。
九試合目が始まり、アマデウスが引き分けに持っていけるまであと二試合だけと逃げ場がなくなっており、焦りに拍車をかけているようだ。
『メテオフォール』を発動させて突進速度を上げ、後ろに下がって回避しようとしたヨミを追うように大きく踏み込んでくる。
体を右に反らして回避しようとしたところで、刃がガタガタの大剣から突然炎が噴き出てくる。
「うわおぅ!?」
咄嗟に強く地面を蹴ることで直撃を免れ、ブーツの底でバトルフィールドの床を削りながら停止する。
ここにきて炎属性付きの大剣を持ち出してくるとは思わなかった。炎耐性は紙装甲を通り越して濡れた半紙装甲レベルないので、一撃でも食らえば武器の攻撃力の高さとのダブルパンチで、クリティカルでなくとも一撃でHPが持っていかれるだろう。
「やっぱり、吸血鬼は炎がダメだよなあ!?」
赤い炎を滾らせながら大きく振り上げて、思い切り振り下ろす。
その軌道に合わせて炎が斬撃として放たれて、かなりの速度でヨミに接近してくる。
中距離から遠距離も対応可能かと頭のメモに書き記しながら左に向かって走り出し、激しい緩急を付けながら全力で疾走する。
持っている斧が重く妨げになるのでインベントリにしまい、右手で右太もものホルスターから紅鱗刃を抜いて逆手に持つ。
「おらおらおらあ!! この武器に変えてから消極的じゃないかあ!?」
「そりゃ炎を受けたくないからね! でも、そういうお兄さんだってこれ以上負けたくないからって、ボクを近付かせないようにするために中遠距離に逃げるのは、流石にチキンだと思うよぉ?」
「言ってろ!」
叩き付けるように振り下ろされると、放射状に炎が広がって襲いかかってくる。
直撃はやはりしてはいけない。ならば、魔術なんて使うつもりはなかったのだが仕方がないと、今日一日の間に習得した新しい魔術を使う。
「『シャドウダイブ』」
炎によって照らされることで濃くなった、足元に映る自分の影。
そこに魔術を使うことでとぷん、と潜り込む。そしてそのまま影の中を高速潜行し、アマデウスの背後にある影から姿を見せる。
「はっはぁ! どうだメスガキ!? 吸血鬼は炎にはめっぽう弱いからよく効く、」
「だーれだ」
背後から抱き着くように飛びついて左手で視界を塞ぎながら耳元でささやき、アマデウスの体の正面に伸ばした右手の逆手に持った紅鱗刃を、心臓に突き刺してクリティカルを取る。
「な、んで……!?」
「影魔術って便利だよね」
力を失って地面に膝を突き、ヨミは素早く張り付いていた背中から離れる。
これでアマデウスの敗北は決定したが、まだあと一試合だけ残されている。
あれだけプライドが高く、己の思っていることが正しいと思っていた彼だ。間違いないと思っていたのに、それを真っ向から否定する形でぼこぼこにされて、年下の女の子に遊ばれて心が持つはずがない。
とりあえず今初めて新魔術の『シャドウダイブ』を使ったわけだが、思っている以上に使い勝手がいいのだが、思っている以上に使う瞬間を考えないといけない。
影の中にいられる時間は、最長で五秒。その間は高速移動ができるようなので問題はないが、問題なのは使用した瞬間だ。
どこの影に落ちるのかを選べるのではなく、確定で自分の足元にある影に潜るタイミングを一切選べることなくいきなり落ちてしまう。
緊急回避をするにはいいかもしれないが、発動した瞬間に前触れなく足の裏から地面の感触がなくなって落ちるのは、慣れないうちは心臓に悪い。
この魔術は要練習だなと分析していると、最終試合が始まる。
もうすでに負けが確定してしまっているが、どのように出てくるのだろうかとつぶさに観察していると、左手でウィンドウを操作するような動作を見せた後、最初に使っていた大剣を左手で掴んで、まさかの大剣二刀流で自棄になったような雄叫びを上げながら突っ込んで来た。
「うわあああああああああああああああああああああああ!!!!」
まるで子供が癇癪でも起こしたかのように、本来は両手で振るうことを前提としている大剣を、片手でブレッブレになりながら振り回す。
慣れない大剣二刀流というめちゃくちゃな行為に追い付けず、アマデウス自身が大剣に振り回されている。
一撃の重さは両手で持っている時ほどではないし、剣筋もブレブレなので掠りもしない。
「くそったれがああああああああああああああああああああ!!!!」
「もうヤケクソなんだねー。自分でやっておいてなんだけど、かわいそ」
「うるせえええええええええええええええええええええええ!!!!」
ここは最後の一本くらいは花を持たせてあげようかと一瞬思ったが、せっかく連勝しているのに最後だけ黒星なのは嫌だなと考えを改め、右手に持ったナイフをぐっと握りなおしてから後ろに下がって回避ではなく、前に踏み込みながら最小限の動きで回避する。
上から振り下ろされてきた左の大剣は、ナイフで腹を受け流しながら外に反らし、右の袈裟懸けに落とされてきた大剣は体を捻りながら打ち出した拳で腹を殴って強引に軌道を変える。
そのまま右手を顔の左側に持って行って戦技を発動させる。
「『サイドスラッシュ』」
ナイフに淡くエフェクトがかかり、体がぐっとシステムに押されるように動き出す。
それに便乗して自らも動き、すさまじい速度で放たれた紅鱗刃はアマデウスの喉を的確に捉えて貫いた。
念には念をと戦技が終了すると同時に体を右側に回転させながらナイフを引いて斬り付けて、確実にクリティカル判定を出す。
『試合終了ぉー! この1v1の10本勝負を制したのはー、銀髪美少女のヨミ選手だぁー! 観客の皆々様、この戦いの勝者に盛大な拍手をお願いします!』
試合が終了し、バトルフィールド中央上部にウィンドウが表示される。
それはこの十本勝負の成績で、最初の三回以降は見事に七本連取して勝利を収めている。
観客席の方からは万雷のような拍手が送られてきて、嬉しいやら照れくさいやら穴があったら飛び込んで埋まりたいやら、色んな感情がごちゃ混ぜになる。
とりあえずぺこりと頭を下げるとますます拍手が激しくなり、いたたまれなくなったのでその場から逃げるように立ち去り、良くも悪くも目立ち過ぎたのでバトレイドから逃げてワンスディアに向かった。
適当に配信を終了した後で、そこで宿を取って割り当てられた部屋に向かい、真っ白なシーツのベッドの上に倒れ込み、枕を抱き寄せて顔をうずめる。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!!!!!!!!!!」
そして顔をゆでだこのように真っ赤に染め上げて、ばたばたとベッドの上を転がりながら気が済むまでずっと発狂し続けた。
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