第14話 フレンチキスってなんですの?

なんか…久しぶりに常態に戻ったがごとく、授業の合間に実乃里ちゃんが下ネタ質問を入れてくる。

「フェ⚪⚪オ」や「二穴」よりはよっぽど上品だと思うかもしれないが…


実乃里「先生…やはりですね、わたくしとしてはもっと腰と腰を密着させるべく正面から先生の上にですね」

「足を揃えて太ももの上に腰掛けるのが限度って言ったよね!」

休憩時間開始と共に実乃里ちゃんは俺の上に乗ってきた。そして可愛いキスの雨。

実乃里ちゃんの通うお嬢様学校の制服は、ブレザーこそ着てはいないが、ブルーがかったタイ付きのブラウスにタータンチェックのミニスカート。中学生の健康的な汗の匂いに混じって、実乃里ちゃんの女の子の甘い薫りが俺の心を揺さぶってくる。


実乃里「…あん」

「そーゆー声をだすな!」

実乃里「でも…先生の…当たって…」

「はい!休憩終わり!降りた降りた!」

実乃里「待って待って!」

実乃里ちゃんがあわてて抱きついてくる…そうすると、今度はお前の胸の果実が当たるんだよ!


実乃里「先生、質問の回答が未だですわ…フレンチキスって何ですの?」

「回答するから降りろ!」

実乃里「え?嫌ですわ!」

「じゃ答えない」

実乃里「もう…本当にヒドイですわ」

しぶしぶと実乃里ちゃんが降りるんだけど、その可愛い顔を俺の顔から離さない。


「…何してるの?」

実乃里「…出来れば実践で教えていただけたらと」

「……」

実乃里「…先生?」


う~ん、正直に答えると、分からないんだよね?

実乃里「…そうなんですの?」

「世界基準でいくとね、フレンチキスはお互いの舌と舌を絡め合うキスだ」

実乃里「先生がそう言われるのなら、もしかして日本では違うのですか?」

「日本ではね…軽いキスのことをフレンチキスって言う場合が多いんだ。世界ではバードキスって言うんだけどね。だから今やっているのがフレンチキスだよってことで良いのかな」

実乃里「日本では舌と舌を絡め合うキスを何と言うのですか?」

「一般にはディープキスだな」

実乃里「では改めて、バードキスとディープキスはどう違うのですか?」

「舌を絡めてうんぬんは置いておいて、バードキスはまあ挨拶のキスだな。ディープキスはもう性行為だよ」

実乃里「…なるほど…先生?キスまでは『分かった』でしたね」

「…軽くなとも言ったよね?」

実乃里「…分かりました、では間を取ってフレンチキスで…我が家はグローバルですので当然世界基準でお願いいたしますわ!」

「それ、間じゃないだろうが!」

実乃里「…先生…約束を違えますの?(涙)」

あ~~もう!


「分かった!」

実乃里「先生!」

「明後日、数学の実力テストとか言ってたよね?それで90点以上だったら責任持って実践してやる」

実乃里「…それヒド過ぎじゃないですか!?」

「…70点以上ならまたドライブに連れて行ってやる」

実乃里「…ラブホ付きの?」


「つ・き・ま・せ・ん!」


…分かりましたわと呟く実乃里ちゃんの瞳がまさに猛禽類のごとくで…俺は早くもこの約束を後悔していたんだ。


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