第7話 何故俺なんだ?

シャー、禁断の…ド!ピンクルームにシャワーの音が響きわたる。

「(甘かった!)」

差し込みが入ったんだろ!?

…何でトイレじゃなくてシャワー浴びてんだよ!

「(まさかと思うが…裸で出てくるんじゃないだろうな!?)」

せめてバスローブ。もう…バスタオル姿でも充分ギルティな気もするが…


「(実乃里ちゃんか…)」

今日の彼女の白地とパステルカラーのワンピースの破壊力は抜群だった。浜辺の大学生どもが見惚れて動けなくなるくらいは。

普通の男ならこのシチュエーションはウェルカム以外の何者でもなく、実乃里ちゃんの処女はあっさり喪失するだろう。

俺は五月っていう超絶美少女の妹(自慢!)がいて、美少女耐性がある分、どうにも社会的責任が頭を掠めてしまうのと、

「(あと一年は……清い身体で待ちたいんだよなあ…あいつを)」

実乃里ちゃんこそ、何で俺に拘るのだろう。あの子なら容姿もさることながら、あの行動力ならぱ、それこそ同年代から大学生・社会人まで選り取り見取りだろうに。

実乃里「お待たせ致しましたわ」

「ぶ~~~っ」

…一糸まとわぬ姿だった。

「バスローブ!バスローブ!」

実乃里「あ…はしたないまねを」

わ・ざ・と・だろうが!!


「なあ…何故俺なんだ?」

バスローブを着ても、実乃里ちゃんの健康的な色気は隠しようもなく、俺の理性をガリガリ削ってくる。

自分が野獣になっちゃう前に…俺は直球勝負に出ることにした。

実乃里「それをお答えするなら、私にもお聞きしたいことがあります」

「………」

実乃里「………」

「……いいよ、手の内見せ合おうじゃん」

実乃里「はい!」

「でも…その前にさ」

実乃里「?」

「服を着ろ!服を!!」

実乃里「…このままじゃ駄目ですの?」

「…このままじゃ早晩会話にならなくなるわ!」

実乃里「手っ取り早くて良い…わ、分かりましたわ。しばしお待ちください!」

…まあ、中身見ちゃった上に、あの破壊力抜群のワンピース姿じゃ俺もいつまで保つか分からん。

もう一つ…保険掛けておくか。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る