第6話 都合の良い差し込みだなっ!

「あ…先生?ごきげんよろしゅう」

世間的には素晴らしくデート日和の日曜日の朝、そこには清楚なワンピース姿の実乃里ちゃんがたたずんでいた。

サラサラの黒髪、整い過ぎて年齢が分からなくなるほどの容姿。

中学三年生の余分なものが一切ついていないかのようなしなやかな肢体を隠す今日のワンピースは清潔な白地にパステルブルーの淡い縦じま。

そして腰のあたりを同じ布のリボンで止めていて、

白とパステルブルーのコントラストが、実乃里ちゃんにぴったり似合っていて不本意ながら見惚れてしまう。

こうしていると、実乃里ちゃんは全く中学生には見えない。俺と同じ大学生の美少女と言っても誰も疑わないだろう。

ただあまりにも絵になりすぎて、色気は足りないかな?

そんな、あまちゃんなことを考えた朝の俺をぶん殴りたいくらいには後ではまるのだが。



相変わらず超美人な奥さんに見送りついでにお弁当までいただいて、俺たちは車中の人になった。

「サスペンションが固い分、乗り心地が悪かったらごめんな」

実乃里「大丈夫ですよ。どこに向かわれていらっしゃるのですか?」

「うん、せっかくお弁当があるので、穴場の海岸…で良いかな」

実乃里「はい!楽しみですわ」

和田長浜の海岸は、ディンギーやウインドサーフィンのメッカ。比較的真面目なヨット部の大学生や社会人が頑張っている。

実乃里「うわあ~」

何か久しぶりに年相応の仕草で実乃里ちゃんが海岸に飛び出していく。

「(可愛いな…)」

実乃里「先生!ヨットがあんなにいっぱい!」

海岸で戯れる実乃里ちゃんの姿は一枚の絵画のようで、もしくはカルピスか何かのCMのワンシーンみたいで、ディンギーを出そうとしていた大学生のグループが思わず見惚れて固まっている。

正直、普段あれほどの肉食獣ぶりを発揮せずにいてくれるならば、別にドライブくらい幾らでも付き合ってあげるんだけど。

実乃里「先生!ここでお弁当を広げましょう!風も波の音も素敵ですよ!」

ああ!来て良かったかも…そんな、あまちゃんなことを(以下 略)。

実乃里「あっ!痛い!」

帰りの車中、実乃里ちゃんが突然苦しみだした。

実乃里「先生…差し込みが…」

「………」

実乃里「ああっ!もう…もう!!」

「………」

実乃里「先生…お願い…そこに…そこに入って…」


入った先は……ラブホテルだった。






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