第34話 リーン・バルガスの決断



私の名前はリーン・バルガス 12歳


わくわくして昨日よく眠れなかった 転生者だ


1週間前の夜 先生からの知らせがきた王都の騎士団本部に行く用事が有るので


その前に尋ねにくるそうだ


先生に会うのは1年半ぶり位になるのだろうか


早くきてくれないかな待ちきれなくて窓から外をずーと見てる


おぉ 来た 馬に乗った あのシルエットは間違いない


お迎えに玄関までダッシュで向かう


「王国騎士シム・グーンですリーンお嬢様にお目どうりを」


「先生 私はここです おかえりなさい」


え そこで私の思考がとまる


え なんで? 右足がないの? なんで顔に大きな傷があるの?


「お嬢様 お久しぶりです おかわりないですか?(笑)」


「はい せ んせいも おか わり うぁああ」駄目だ我慢できずに涙が


先生は困ったような顔をして 私の頭を撫でてくれた


「落ち着いてきましたか?」


部屋に戻ったあとも しばらく涙が止まらない私を先生はあやしてくれた


「すいません 先生 もう大丈夫です」


くそ いきなり失敗した 先生には大人になった私を見てもらうつもりだったのに


「いえ 私の方こそお見苦しい姿をお見せしました」


先生がつらそうな顔を


「先生 大丈夫です見慣れれば なんか厨二ぽくてカッコいいです」


お 先生がわらってる


「ふふ」 「お嬢様もあの人と 同じこと言うんですね(笑)」


同じこと?


「そんなこと言われたんですか?」


「ええ 私がこの傷じゃあ 婿も取ることができないって言ったらですね」


「なにいってるんだ その傷のおかげで 今のお前は すごいカッコいいぞ ってね」


むむ なんかもやもや するな 別の話題にしよう


「先生なにがあったんですか?」


先生が苦笑してる


「あいかわらず お嬢様はストレートに聞いてきますね(笑)」


「まあ いいですよ ちょっと長くなりますけど いいですか?」








それから先生はニア村での出来事を語ってくれた


「そんな わけでシドベアーは たおせたんですけど 


私も顔と足に傷を負ってしまったんですよ」


なるほどそんな事が


私が特に気になったのは


魔獣シドベアーとの激闘と そしてモディ・ヌーベル子爵のことだ


モディ・ヌーベルすごいレア属性使いで、 先生のピンチに登場して


大活躍、たぶんイケメンなんだろう  くそうラノベの主人公かよ


先生もちょっと助けられたくらいで 落ちちゃうようなチョロインじゃないよね?


OK落ち着こう まだ慌てるような時間じゃない さりげなく確かめよう


「先生はこれから結婚する予定とかありますか?」


「え あいからず いきなりですね(笑)」「いえ ありませんよ(笑)」


よし確認できた 大丈夫だ(笑) でも先生はこれからどうするつもりなんだろう?


「先生 これから どうするんですか?」


先生が少し考え込んでる


「右足を失った以上 騎士としての私は死にましたが 


ありがたいことに騎士団の講師の話もきています」


「じゃあ騎士団で講師になるんですか?」


「どうでしょうね ある人から助言をされてまして」


「お前は騎士として生きることしか考えていなかったろうから」


「金や暇ができたんだ 1回田舎にでも帰って 


これからどう生きるか考えて見るものいいかもしれないぞ」


へえ まさかそれ言ったのヌーベル子爵じゃないだろうな?


「それ言ったのヌーベル子爵ですか?」


「ええ そうです」


ぐぐ 


「先生 そんな助言 聞く必要ありません 


騎士団の講師になりましょう それが一番ですよ」


「決めました 私も騎士団に入ります 先生の代わりに戦います」


先生が驚愕の表情をうかべてる


「お嬢様 勢いで大事なこと決めないでください」


「勢いじゃありません この1年ずーと考えていました、 先生と一緒に戦いたいって」


先生が困った顔している


「私はもう戦えませんよ」


「わかっています」


「ほんとうに 勢いでいってるんじゃありません いや 勢いで言ってるかもしれないけど」


先生は私の言葉を待ってる


「私は伯爵家の一人娘です 騎士団に入るなんて ゆるされません」


「婿を取り 跡取りを生む それは 私の義務です」


「だから悩んでました でも 先生と話して 覚悟がきまりました」


「私は騎士団に入ります たとえ家を出ることになってもです」


先生は苦笑しながら口を開く


「お嬢様 私は騎士団の講師にならないかもしれませんよ? 


それでも騎士団に入りますか?」


先生が私の目をみつめる


「はい 先生の意志をつぎ騎士団に入るそれが私の運命なんだと いま確信しました」


先生が私の目をみたまま つずける


「わかりました お嬢様ですが伯爵家の問題でもありますので 


私には肯定も否定もできません」


「はい」


先生いままで ありがとうございます 


おかげで覚悟もできました


さあ あとはお父様とお母様を なんとか説得しなければ


がんばるぞーーーー 

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