第21話 シム・グーン出陣



モディ・ヌーベルこの子爵様は やはりまだ子供なのか少し緊張感が足りないようだ


「家はもうすぐだ 田舎なんでたいした料理や酒も出せないが 


今日くらいは英気を養ってくれ」


だが協力的なようだし 問題はないだろう


「グーン卿どうしたね 考え事か?」


ええ 少しあなたのことをね


「いえ 子爵様たいしたことではありません」


「子爵様か呼ばれなれない呼称だな(笑)」


呼ばれなれないか ふむ


「では どうお呼びすれば?」


「そうだね うーーん 子爵様でいいよ(笑)」


「わかりました 子爵様」


「あぁ あそこが私の家だ王都の お屋敷に比べれば小さいだろうが 


その分気を使わなくてもいいぞ」


子爵様が指さす 確かに小さいが 敵に攻められることを前提とした立派な砦だな


「お館様ーーーー」


なんだ?  誰だ男がひとり 慌てて走ってくる


「マヌカどうした?」


マヌカそれが彼の名か 


「お館様 奴です奴がでました」


「どこだ?」


「丘陵地の外れ 町のすぐそばです」


きたか せっかくの ただ飯ただ酒が台無しだな


「子爵様 奴とは?」


「ああ お察しの奴だよ」 「すまないが夕飯は後で構わないかい?」


「ええ お前たちいけるな?」


「は」


「マヌカ、その近隣の避難はどうだ?」


「はい大丈夫です 今やつは 馬を襲ってます、 一族の者で監視中です」


「馬?」


「あぁ説明してなかったな 家畜を囮にしてるんだ」


ほう随分と手際がいいようだな


「マヌカと言ったな そこに案内してくれ」


「いやまて 10人でやる気か? 馬を食えば 奴の腹も膨れるだろう 


囮の家畜ならまだいる 後続がくるまで待ったらどうだ?」


そうか勘違いしてるようだ


「子爵様 シドベアーの相手は 我々10人 あとの50名は 


追い込みや村の護衛要員にすぎません」


納得してくれたかな?


「そうか戦うのは お前たちだ判断はお前たちに任せよう」


話が早いな


「子爵様は?」


「一緒に行ったほうがいいか?」


「いえ 子爵様は安全な場所にいてください」


「わかった 俺は家に戻る」


え 意外だな 腕に自信のある貴族の若君なら 大概付いてきたがるんだが 


さっきからホントに話が早くて助かるな


「よし話は決まった 俺は家で連絡を待つ マヌカ案内を頼むぞ」


マヌカがうなずき先導する


「着いたその日に 出くわせるとは ついてる 今日で終わらせるぞ」


「は」

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