第17話 ハミルの旅




だいぶ日が傾き始めたみたいだし そろそろ野営の準備を始めるか


村を出て2日目の夜 気は焦るがアニキの言うとうり夜道は危険だし


馬も走らせつずける訳にはいかない


馬車を止め野営の準備に入る、簡単な夜食を取るとすることも無くなる


なにもすることが無いせいか 嫌な想像ばかりが頭に浮かんでくる


嫁や息子は無事だろうか、そばにいてやりたかったな


いや お館様の手紙を要塞に届けるのが、どんなに大切なことかはわかってる


はあ お館様か 正直なところ郷士になんかなりたくなかった、たいして高くもない給金


そのくせ村人の相談からトラブルの仲裁、滅多にないが犯罪が起きたらその解決


まったく割に合わない


そしてお館様だ  お館様には昔から悪い噂がいくつもある


あのクソガキが領主になったらこの村も終わり よくそう言われてたもんだが


領主になって人が変わった、いや中身が別人になったんじゃないか?


これは父親が死んで心を入れ変えたって話もあるしな 俺にはよくわからない


だが


中身が変わったならそばにいる者が きずかない訳がない特にマーサ様だ


お館様は闇魔法を使うという話だ、闇魔法は人を操ったりするらしいし


その闇魔法で周りの者や、マーサ様を操り別人になった事を隠しているんじゃないか?


そんな噂だ


そしてもう一つの噂が


屋敷の一角に立てっている小屋、そう その小屋でお館様は動物を切り刻んでる


小動物から牛や馬などの大物までだ


なんの為にそんなことをしてるのか少なくとも食べるためじゃない


お館様は生き物を 切り刻むことが好きなんじゃないか 


そのうち人も切り刻みたくなるんじゃないか?


そんな噂だ


みんなが言ってる噂をまとめると 古代の闇魔法使いか悪魔が お館様の体を乗っ取って


今は大人しくしてるが そのうち本性をだし俺たちを切り刻み始めると


たちの悪いことに噂の半分くらいは間違いのない事実だとアニキから聞いてる


あぁぁ シドベアーもおっかねえが お館様も おっかねえ


この仕事が終わったら、なんとか剣をお返し しないとな


巻き込んでくれたんだアニキにも口添えしてもらわないと


はあ だめだ眠れなくなってくる 明日も早いんだ 何も考えるな


眠れ ねむるんだ ハミル


あぁ 明日も天気がいいといいな

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