第12話 王太子さま あなたはだあれ?2



見ろ人がゴミのようだ


王宮のベランダから見る夜景に飽きてついムス〇ごっこをしてしまった

 

「カツカツ」規則的な足音が聞こえる


誰か来るな


「どうですか? ここから見る夜景は?」


カテナ・アロ彼女は ちがうのかな? 王太子さまもちがったみたいだし 


手間がかかった割には収穫なしか


せめて家のためにコネつくりでもしとくべきなんだろうけど、気が乗らないな


「とても綺麗ですね月も星も手に取れそう(笑)」


彼女が微笑み お互い何も言わずに月をみる


『月がとても綺麗ですね』






え いまの? 日本語?


彼女が微笑んでいる


「はは わたしを口説いてるの?」


彼女が私に微笑みながら答える


「気持ち悪いこと言うな(笑)」


わたしも彼女に微笑む


「中学生からズカの男役に転生できるなんて うらやましいぞ(笑)」


きずくとお互い抱きしめあい、涙を流していた





「くそ 年のせいか涙もろくなっちまったな(笑)」


「だね 年はとりたくないものね(笑)」


「あの」 「もう僕も会話に入ってもいいかな?」


王太子さまが気まずそうに 後ろから出てきた


「いじわるですね王太子さま(笑)」


「いじめないでよ田中さん(笑)」


田中さんか


「田中さんはもう居ないよ鈴木くん」


「そうだね鈴木君も もういないんだよねリーン嬢?」


「うん そうだね」


なんだろう よくわからないけど なにかが吹っ切れた なんかとても気分いい


「そうか王太子さまは くそあんな痛い思いしてわざと負けるんじゃなかったな」


「やっぱりそうか わざとぶつかったんだね」


「もうリーン再戦したいとか いわないでよね」


「あ リーンでいいわよね? 」


「うん かまわないよ」


「ありがとう私のことはカテナって呼んでちょうだい」


「ぼくもジョウでって言いたいところだけど ちょっと立場があるんで公の席では王太子で」


「うん わかってるよ 今はジョウでいいのかな?」


「ああ そう呼んでくれてかまわないよ」


「それでリーン さっきの話がちょと気になるんだけど 


やっぱり本気だしていなかったのかい?」


「あたりまえでしょう 王太子さまをぶっ飛ばすせる訳ないじゃない」


「きずつくな 結構やれるつもりで いたんだけど 


どうだい1回でいいから本気でやってみないかい?」


「ちょとジョウ子供じゃないんだから いいかげんにしときなさい」


「何言ってんのカテナ? 私たちまだ子供だよ そうだよねジョウ?」


「あぁ(笑) まちがいないよね」


「もう 二人とも もう はいはいとっとと 勝負つけなさい もう」


ふふ ごめんねカテナ やっぱりすっきりしときたいしね 私もジョウも


「じゃあ修練場に」


「うん」







きました本日2度目の修練場 昼と夜じゃあだいぶ雰囲気ちがうものなのね


「じゃあ 今度はお互い本気で いいねリーン?」


「いいよジョウ」


「いざ尋常に勝負」


お互いの もつ得物は昼間と同じ 私は長剣の木刀 ジョウは木製のショートソード


昼間と違うのはジョウの構えかな いきなり後ろに大きく下がり距離をとってる


そして例の土棍棒に 「ヒュー」 「ヒュー」


もうきたか 土つぶてを右に大きく移動してかわす


やっぱり松明で照らしているとはいえ 見にくいな これはいつまでもかわせないな


「ヒュー」 「ヒュー」 またか また右に? 「ビューーーン」 なにいいい


「おどろいたかい? これが僕の奥の手だよ」


「うん おどろいたよ 棍棒から土つぶて 飛ばすだけと思ってたけど


 鞭にもなるんだそれ」


「うん この鞭と 土つぶて リーン 君をちかずけさせないよ」


はは たしかに驚いたけどね 今度はこっちが驚かせてやる 


「いくよジョウ」


私は平正眼の構えのまま 真正面から突っ込む 


防御なんて全く考えてない特攻に見えるだろう


「な リーン馬鹿なのあなた無茶よ」


「くっ」


ジョウも覚悟を決めたようだ 私の正面に鞭と礫の連続攻撃をかける


そうここが奥の手をだすタイミングだ いくぞ鋼鉄の鎧


ジョウの鞭も礫も私当たるが 止めることはできない


一瞬でジョウの懐に そして横なぎ一線


ジョウの棍棒が私の長剣を受け止める だがかまわない 私の勝ちだ   


「 バキィーーーー」 棍棒と共に吹っ飛ぶジョウ もう動けないだろう


あれ ピクリとも動かない マズイやりすぎたか?


「ジョウ? いきてる?」


「生きてる 右腕が折れて 痛くて叫びそう なんとかしてリーン」


げ 早くなおさないと


「もう自業自得よ リーンお願い治してあげてくださいな」


「うん右手にさわるよ」  


「たのむよ ぐあぁあ」


「ごめん 骨の位置 直さないといけないから ちょっと我慢してね」


カテナが木剣にハンカチを巻いてる


「ジョウこれを かんで くいしばりなさい」


「うん ありがとう」 「ハム」


「もうちょとだからね」 「シュワシュワ」


ジョウの苦悶の表情を見て 思わず口がすべる


「やばい 猿ぐつわ 涙目 上目ずかい ヤバい趣味に目覚めそうだわ」


カテナも同意見なんだろう


「いいわね このまま絵にして保存できないかしら」


キッとにらみつけてくるジョウ うお なんかゾクゾクする 


ほんとにヤバい とっとと直そう(笑)


よし治療完了


「どう もう痛くないでしょう?」


「 ど う も あ り が と う」 


すごい棒読みでゴミを見るような目でお礼の言葉を言うジョウ


「どう いたしまして」 ジョウのジト目をスルーするわたし


「ふーーーう」       


ジョウが長い溜息を一つもらし口をひらく


「僕の負けだね」


「そうね でもいい勝負でしたわね」


カテナがジョウの肩に手をおきフォローする


私からジョウにかけるべき言葉はないんで 取り合えずサムズアップでもしとこう


それを見て苦笑する ジョウとカテナ






王太子さまとその婚約者は 思ったとおり 転生者だった


私たちはこの世界でやるべきことがあるはずだ 


私たちの転生と出会いがその証拠だ


でも なにすればいいんだろう?


神様ぽい人 そろそろ出てきて教えてくださいよ?

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