第8話 ある子爵様の事情




「ふう」


目が覚めたようだが まだ周りは暗く肌寒い、夜明け前のようだ


いつもなら二度寝でもしてるところだろうが そんな気分になれない


いろいろ思い出したせいで、完全に目が覚めてしまった


「転生ってやつなのかな?」それとも 「この体乗っ取ってしまったのかな?」


どちらにしてもこの少年の魂を奪ったのか


自我を乗っ取ってしまったのかどちらかには違いないな


「考えてもしょうがないな」


そう考えてもしょうがない


闇に眼が慣れてきて周りがよく見えるようになってきた


見慣れてる自分の部屋だ  そう自分の部屋だ


ベットと勉強机だけいや あとはベットの脇に剣と弓か


剣を手に取ってみる 30センチちょいってところか


「完全に銃刀法違反だな(笑)」  「しかしひどい」


素人目にもまったく手入れがされていないのがわかる、刃こぼれはひどいし所々さびている


護身用じゃなくて、拷問用って言われるほうがピンときそうだ


「ふう」


溜息を一つつき剣をしまう


考えるべきはこれからのことなんだけど、過去のことばかりが頭に浮かんでくるな


享年49歳か 恥の多い人生ってやっだったな


いい年して独身だから、残してきたのは母親ひとり


孫の顔も見せれなかったし、先に行くなんて本当の親不孝ものだな


せめて保険金はちゃんと 下りたろうな?


一瞬すぎてどんな最後だったのか?


うーーーーーん 思い出せるのは東京駅 地下街


あぁそうだ修学旅行帰りの 中学生が土産物を買っていたな


東京バナナか 東京に30年以上住んでるけど食ったことないな 


どうでもいいか(笑)


あの中学生も死んだんだろうな 死はどんな人間にも平等とはいえ 


いい気分じゃない


だめだな肝心の死に方がまったく わからない 


ちゃんと保険金の落ちそうな死因だといいんだけどな


「はあ 葬式出せるくらいの貯金はしてたし」


最悪でも金の迷惑はかけなくて すみそうだってのが救いかな


よし気持ちを切り替えて これからの事を考えよう


自分の名前はモディ・ヌーベル 身長は1メートル位 


体格ちょっと痩せ気味かな


髪も瞳もブラウン それとーーーーーーーーーー


なんてことだモディ・ヌーベルこの子は馬鹿でクズだ


読み書きできないのは、まだいい、でも自分の住んでる国の名前も知らないとは


だめだモディの記憶をあさってみても、ろくなのがない


ほんとうのクソガキってやつだ 


領主の一人息子のなのをいいことに毎日 


悪戯や嫌がらせで 遊び暮らしてやがる


どんな教育をされているんだ親の顔がみてみたいわ


ーーーーーーいや知ってるけど(笑)


いやになってきたからって 無駄な一人ボケツッコミはやめとう


まったくおもしろくない


たぶん いやもう自分のことだから分かってる


モディの両親は育児放棄してると言ってもいいだろう


モディは関心を引くため問題を起こしたり、わがままを言ったりする


両親、とくに母親かな彼女はそんなモディに怒りと


失望の目を向けるようになってくる


モディさらに って感じで 悪循環だな


ひとさまの家のことなら 放っておくが 残念なことに他人事じゃない 


今生の母親も不幸にする分けにはいかないな


解決するためにも、問題を深堀と検討してみるか


Q まずモディはなぜ育児放棄されていたのか


A 父親である子爵がずーと病気で母親はその看病を一人でしていたから


答えはシンプルだな貴族とはいってもそんなに裕福ではないから通いでくる 


お手伝いさんにモディの世話と家事をって感じか


両親がなぜモディに手が回らなかったのか、まだ理解できなかったんだろうな


Q モディと母親はどうすれば仲良くなれるか?


A モディが母親思いのいい子になればいい


こっちの答えもシンプルだ まあこれですべて解決ってほど単純じゃないだろうけど


Q モディがいい子になったとどうやって安心させればいいか?


A 態度や言葉で示しつずけるしかない


まあこれしかないよな 


Q 突然いい子になって不審におもわれないか?


A 思われるだろうが、6日前に亡くなった父親の死で生まれ変わったことにする


中身が別人にかわるんだ母親や身近にいる人なら 


間違いなく不審に思うだろうが心を入れ替える理由に


父親の死は都合がいい、 かなり不謹慎だが生きてる人が優先だ 


落ち着いたら利用したことを父親の墓に詫びることにしよう


Q モディ側の変化だけで すべてが解決するのか?


A 親子とはいえ人の関係は片方だけで何をしようとも 


なりたたないが、まずモディが信号を出さなければいけないが


母親にはその信号にきずく心の余裕がなさそうに見える


Q 母親に心の余裕をもってもらうにはどうすればいいか?


A 母親のストレスの元をなんとかするかストレスの解消をしてもらう


ストレスの元か、介護とモディだろうな


たしかモディが5歳位の頃から介護してたはずだから3年ちょっとか


一人介護だと2年か3年で介護してるほうが 


つぶれるて話も聞いたことあるし かなりのストレスだったろうな


「もしかしたら? 思い違いしてるのかも?」


そう思い違いをしてるかもしれない 介護はストレスだったろうが 


もしかしたら生きがいを母親に与えていたかもしれない


介護していた連れ添いが亡くなってしまうと


その後を追うようになんて話はよく聞く


よし方針が決まった


モディは心を入れ替える 母親にはモディを支えるとゆう生きがいを 持ってもらう






考え事をしてるうちに外も明るくなってきたみたいだ


窓辺に移動して外を見てみる


ここから見える風景が自分の領土なのだろう


領土の事、領民の事、知らなければならないことが いろいろある


母親のことも知ってるとは言えないかもしれない


「よし今日から俺は本気だすぞ」


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