第10話 ノゾミさんは犯罪者?
シンタロウは、お腹が空いていた
ノゾミの言う事が本当なら、暫く我慢していれば収まるらしいが
まだ、半信半疑とっ言った顔をしている
「シンタロウ、一晩、考えて何か決まったかね?」
ノゾミが奴隷の用意した、水を飲みながらシンタロウに問いかけている
そういえば、ここに来てたから水以外の物を口に入れてないなと
ふと、シンタロウは思いつき
「あの、関係ないですけど、ノゾミさん水以外、飲まないんですか?」
「ああ、水しか持ってきてないしね・・・味が解らない訳じゃないけど
ノドの渇きを癒す為だけ・・・水で十分だよ」
随分と極論を言っているが、なんとなくノゾミらしいので
シンタロウは頷いておくことにしたが
「ノゾミさんはそれでもいいでしょうけど・・他のそう・・・そこの
奴隷の女の人とかは・・水以外・・例えばお酒とか、欲しがらないんですか?」
「欲しがってるかもしれないが、私が酒を飲まないから、
あえて仕入れようとは思わないし・・・まあ
聞いてみるか・・・・XXXXXXXXX」
シンタロウには何を言ってるか、解らないが、ノゾミに話しかけられた
女は、柔らかい微笑みを浮かべノゾミと会話をしている
「ふむ・・・・飲んだことがないので、解らないが、命令なら飲むそうだ」
「へえ・・・あの・・・・ノゾミさんその奴隷の女の人は、、ノゾミさんの
言う事なら何でも聞きそうですけど・・・愛人も兼ねているんですか?」
シンタロウの不躾な質問に、ノゾミは呆れてしまったが
答えないと、シンタロウがとんでもない結論を出すのは間違いないので
「あのね、シンタロウ前にも言ったと思うけど、私には同性と愛し合う趣味は無いよ
この子は、赤ん坊のころから、私の奴隷だし
私の言う事を聞く事いがい知らないんだよ」
納得してくれたのか、シンタロウが、黙って水を飲むのをノゾミは見ていたが
「ああ・・・また話がそれてしまったね・・シンタロウ、これから
どうするか、考えは、まとまったかい?」
ノゾミの問いに、シンタロウは腕組みをしながら難しい顔になると
「それなんですけどね・・・1回、共和国に戻ろうかと思っているんですよ」
「へえ・・・・どうしてだい?」
「ええ、、どうすればいいのか、まだ決めて無いんだけど
取り敢えず、リームを迎えに行こうかと」
なるほど・・・悩んでいるが、いつものシンタロウだとノゾミも安心する
「シンタロウ・・リームはサイラス、マクリム夫婦の奴隷なんだが
どうするつもりなんだ?」
「そうですね、、マクリムさんにお願いして、譲ってもらおうかと
それがだめなら・・・二人で共和国から逃げることになるかも」
いつもどおりのシンタロウにノゾミもいつも通りの
突っ込みをしておくことにした
「いやリームは共和国育ちなんだし、蛮族の地になんか
来たがらないと思うけど?
それに、、リーム自身も君に付いてきたいとは
まったく、これっぽっちも望んでないと思うんだけど」
キツイ言い方だが、これくらい言わないとシンタロウには理解できまい
そう思い、ノゾミは敢えて、心を鬼にする
「いや・・・ノゾミさんって科学とかは得意でも恋愛は駄目な人間だよね?」
シンタロウの、迷いない瞳に見つめられながらの言い切りに
ノゾミもさすがに頭にきたようだ
「いや・・・佐藤望はそうだったけど、私は違うよ
2回ほど結婚したこともあるし・・・」
「え・・・・嘘でしょう?・・・・僕にそんな見得張らなくてもいいんですよ?」
「ちょっと待ちたまえ・・・全部本当だよ・・・まあ、確かに・・子供ができるか
試すための、実験を兼ねていたけど・・旦那は二人とも私を愛していたはずだ」
シンタロウにはとても信じられなかった
シンタロウにとってノゾミは、勉強は出来るが
好きな男の前になると、なにも喋れなくなる、そんなキャラだと思っていたのに
「信じられない・・・ちなみにノゾミさん・・その旦那との馴れ初めは?」
シンタロウの疑いの眼差しに、ノゾミの忍耐も限界近くなってきたのか
かなりイラついた口調になってくる
「馴れ初め?・・・なんでそんな事まで君に話さないといけなんだい?
もう、いい加減にしないか・・・いくら私でもいい加減に怒るよ」
「逆切れで、誤魔化そうとしてますね・・・やっぱり嘘なんじゃ?」
シンタロウの更なる疑いの眼差し、言い草に
ノゾミも、諦めると、すこし言いにくそうに
「その・・・馴れ初めは、、二人とも初めて会ったのは
二人が赤ん坊の時よ・・・二人とも、私の旦那にする為に育てたのよ」
ノゾミの告白に、シンタロウは勝ち誇った顔をすると
「ほら、やっぱり、そうじゃないですか、、赤ん坊から自分の旦那を育てる
もう怖いですよ、、サイコパスの発想ですよ
2024年の佐藤望さんはきっと・・・未成年の監禁とかで刑務所にいますよ」
そう、笑いながら、話すシンタロウにノゾミは本気で頭に来たのか
「ねえシンタロウ、、両腕、両足を同時に無くすとどんな気分になるのか
知りたいとか、思っていたりする?」
ノゾミの一切の感情が感じられない一言に
さすがに、これ以上はまずいとシンタロウにも理解できたのか
「いや・・自分の理想の相手を育てる・・夢ですよね
そうそう・・そんな話ありましたよね・・なんでしたっけ?」
シンタロウの、あからさまな、話題ずらしに、溜息を付きながらも
ノゾミは考えてみる
「源氏物語じゃない?・・・男女逆だけど、若紫とか?」
「それです・・・勿論、僕はいや佐々木慎太郎は源氏物語なんて読んだこと無いから
話は知らないんですけど・・・光源氏計画って言葉は知ってるし」
シンタロウのよく解らないテンションと、嬉しそうな顔に
ノゾミには理解できないが、その言葉のニュアンスはなんとなく理解できる
「光源氏計画ね・・若紫を子供の頃から育てて、自分の理想の女性に
育て・・正妻の紫の上にする・・光源氏の真似をするって事なんでしょうね
そうよ・・それを私もしたのよ・・だってそうでしょう
私の周りにいる蛮族の男たちは・・粗野すぎるのよ
もう・・風呂にもまともに入らないし汚いのよ・・
光源氏だってやったのよ・・私が同じことしたって悪くないでしょう?」
ノゾミの切れ気味の、言葉にシンタロウは笑顔で笑う事しかできなかった
いま下手なこと言えば、本気で手足が無くなるかもしれない
シンタロウにも、それくらいの空気は読めたみたいだ
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