第168話 ふぎゃっ!

「何あれ?」


天王国まで全力疾走していたら大量のモンスターが遠くに見えた。


「おっ早速皇帝様が現れたね!《魔王の采配》」


大量のモンスターの中から1人のプレイヤーが現れた。


そう、ベルテだ。


イノシシのようなモンスターに乗って他のモンスターに命令している。


「うおー!モンスターに負けるかよ!」

「ラビリルにつづけー!」

「バフかけてやるから俺に集まれ!」

「至る所に落とし穴があるから気をつけろー!」


私の後続から次々と仲間プレイヤー達が来る。


なんか微妙に身体が軽く感じるのも誰かが私にバフかけてくれてるのかな?お礼言いたいけど誰か分からないね。


ズボッ


「うわ、これベルテのモグラのやつ……」


前やられた足を埋められる攻撃をされた。


それにモグラが足を引っ張ってきてなかなか穴から抜け出せない。


「《動くな》」

「おっスノピありがとう!抜け出せた」


横に来たスノーピンクがモグラを動けなくさせてくれたおかげでモグラの拘束から抜け出せた。


「お礼なんていいから……それよりあの魔法は自分で避けてよね《私に当たるな》」

「魔法……って多っ!」


気づいたら私とスノーピンクの正面から大量の魔法が飛んできていた。


沢山のプレイヤーがいるんだから魔法攻撃もこんな感じになるかー。


「《攻撃予測》」


私に向かって来る魔法全ての機動が赤い線になって見えるようになる。


「うわぁ、流石に全部は避けれないかも……《風龍の加護》」


俊敏を上げてなんとか魔法を避けるが少しは当たってしまう。


「熱っ!痛っ!冷たっ!痛っ!」


熱かったり冷たかったり普通に痛かったりで少しづつHPが削れていく。


「ほらほら、もっと避けないと皇帝様なのに死んじゃうよ?頑張れ〜」


横で普通に私の事を煽って来るスノーピンク。


「私が死んだらスノーピンクも負けるでしょ」

「ラビリルがやられるところを見れるならそれでもいいかなー」


スノーピンクに向かって来る魔法は何故か一つも当たらない、チート魔法め……。


「ふぎゃっ!」

「あっ……!」


そんなこと思っていたらスノーピンクの顔に魔法がヒットした。


人のこと煽って遊んでるからそうなるんだよ。


「うぅ……私より格上のプレイヤーからの魔法、油断した」


格上だとスノーピンクの魔法の効果無いんだ、前までは格上でも効果はあったと思うんだけど弱体化してるんだね。


「やっと魔法の雨が終わりそう」

「顔がヒリヒリするー」


スノーピンクは顔に当たっただけだからいいけど私は全身が痛いからね?


と思いつつ回復ポーションを飲む。


スノーピンクも回復ポーションを飲んでいた。


「《太陽剣》」


ポーションを飲んでいたら炎の刃が飛んでくるのが見えた。


「やばっ!」

「んー!ごくごく……」


私はすぐに気づいて避けたけどスノーピンクがポーションを飲んでいて動くのが遅れた。


「《シールドモード》」


スノーピンクに炎の刃が当たる前にモブさんが間に入って炎の刃を受け止めた。


「あ、ありがと」

「これもラビリル様の勝利の為でしゅので!」


モブさんもあの大量の魔法を超えてここまで来たみたい。


「ふむ、油断しているからやれると思ったんだがそう上手くはいかんか」

「アルテナ様の攻撃はこの身で受けたことありましゅので!」


そしてさっきの炎の刃はアルテナさんの攻撃かー、見たことあると思った。


ぞくぞくと知り合いが揃っていくね。

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