第166話 ダッサ

「という感じでなんか皇帝になっちゃった」

「ふーん、とりあえず状況は分かった」


スノーピンクもガブリエルとの戦いに勝ってスキルを貰ったらしいから少し状況は似ているらしい、私と違って別に国王になったわけじゃないけど。


「ハッ!今のラビリルを倒したら私が皇帝になれたりする……?」

「そんな怖い目で見ないで?!」


望んで皇帝になった訳じゃ無いけど負けて奪われるのはなんかやだ。


「私と戦うのはまた今度にして……今日はもう疲れた、どうせスノピは天王国側でしょ?イベントの時にでも戦おうよ」

「え、私は魔帝国側だよ?あの天使達、誰かがピンチになるとすぐに駆けつけて守り合ってるのなんかムカつくんだ」


スノーピンクは魔帝国側だったらしい、てっきり私と戦う為に天王国を選んでいると思ったんだけど。


確かに私が戦った時もあと少しでミカエル倒せそうだったのに邪魔が入ったね。


「と言うことで三大天使とは私が戦うから邪魔しないでよね」

「いや、三大天使とは私が戦うんだけど?スノーピンクは勝ったからいいじゃん!私は逃げられたの!」

「うわ、逃げられたんだ……皇帝なのにダッサ」


プッと嘲笑うように私のことをダサいと言ってくるスノーピンク。


「皇帝なのは関係ないでしょ?!転移で逃げられたんだから追いかけるのは無理じゃん」

「逃げた先はどうせ城内でしょ、ラビリルなら城内くらい簡単に入れるじゃん」

「……確かにそうかも」

「そこは素直なんだ……」


スノーピンクの言う通り、転移で逃げられても城まで追いかければ良かったんだ……!言われるまで気づかなかった。


「はぁ……まあいいや、ラビリルと言い争っても終わりそうに無いか。私は予定あるから落ちる」

「おつー」


スノーピンクはそのまま私の目の前でいなくなった、ログアウトしたのだろう。


「お強い方でしたね。わたくしといい勝負しそうですよ」

「アスタロト様の方が強いよ、多分」


前戦った時のスノーピンクなら絶対にアスタロト様の方が強いと思う、でもなんか知らないスキル使ってたし強くなってるんだろうなぁ。


「私も疲れたし落ちるかー」

「お疲れ様です」


ログアウトする寸前にアスタロト様がぺこりと私に頭を下げているのが見えた。

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