第165話 お知り合いですか?

「よし、決めた!《前借り》と《采配》にしよっと」


理由は《セーブ》とか《ロード》とか取ってもどうせユニークスキルとか天魔融合しちゃったら使えなくなるしそれなら《前借り》とかの方が良いかなって思って。


あとやっぱり無条件で最強状態のパラが魅力的すぎる。


アスタロト様との戦いでは無防備ですぐやられる未来が見えたからパラを召喚しなかったけど《采配》があるなら別だ。


そういえば戦争イベントの参加条件が兵士になることだったけど今の私はどうなんだろう……?


「アスタロト様ー!私って兵士に志願した方が良い?今のままで戦争に参加できる?」

「皇帝なのですから兵士になる必要ありませんよ」


アスタロト様がそう言うので兵士にならなくても大丈夫そうだね。


「言い忘れていましたがわたくしも戦争には参加致しますので先程の召喚石は戦争中は使えませんのでご注意を」

「三大天使と戦うんでしょ?私も戦うから協力してよね」

「それは心強いですね」


アスタロト様と共闘……!楽しみだなぁ。


ちなみにユウリとカイリはお互いがこの城を自分のものと言い争っていてうるさかったから2人とも送還した。


ガシャン!ゴゴゴ……。


「なんか廊下から変な音聞こえない?」

「何かあったんでしょうか?」


なんか心なしか兵士の叫び声も聞こえるような……。


「見つけた……!ラビリル、さっきの全体メッセージはどう言うこと?!」

「あ、スノピじゃん」


廊下からスノーピンクが全力で走ってきた。


「お知り合いですか?《インフェルノ》」

「いや、返答聞く前に攻撃したー!」


アスタロト様がいきなりスノーピンクに向かって魔法を放った。


大きな炎がスノーピンクに向かって襲う。


「《物真似》《山彦》」


スノーピンクは何かのスキルを使ったと思ったらアスタロト様と同じ魔法を放って相殺する。さらに同じ魔法をもう一つ放って次は私とアスタロト様を襲った。


「ふむ、ここまで来る実力はあるようですね……《インフェルノ》」


アスタロト様も魔法を相殺するために同じ魔法を使うが何故か魔法が出ない。


「あら、MP切れですね。皇帝様に後は任せるとしましょう」

「ちょっ!アスタロト様?!」


アスタロト様が私の後ろに隠れ始める。


いや、私はもうほとんどのスキルがクールタイムで使えないしそもそも魔法を相殺するようなスキルは持っていないよ?


《前借り》を使ってユニークスキルを使うのはありだけどなんか勿体無いし……パラを盾にするのはパラが怒りそう。


避けるのは簡単だけどそれだとアスタロト様に当たっちゃう、どうせ当たったところで耐えるだろうし《ロード》もあるから避けちゃおうかな……。


「あ、このスキルがあった《風龍の加護》」


ふと思い出したこのスキル、俊敏上げにしか使ってなかったけど魔法を1度だけ無効化する効果もあったね。


私はスキルを使って堂々と炎の塊を身体で受ける。、


ジュッ


「痛、熱っ!あっつー!熱いいいいっ!」


私は全身の痛さと熱さで転がりまわる。


確かにダメージは受けてないけど普通に痛みとかはあるのね……めっちゃ痛いし熱い。


「おや、皇帝様も守るのは苦手でしたか」

「攻撃されたから反撃しただけなのになんかラビリルが苦しんでる……!やった!」


スノーピンクは喜んでるしアスタロト様は転がる私にちょんちょんと杖で突っついてくる。


「それでこの方はお知り合いですか?」

「いや今更?!」


痛みが引いてきて起き上がると今更スノーピンクが知り合いかをアスタロト様が聞いてきた。


「ちょっと、ラビリル!皇帝ってどう言うこと?!この隣にいる悪魔と何か関わりがあるのー?!」


スノーピンクが私に掴みかかりめちゃくちゃに身体を揺らしまくってくる。


「そんな身体を揺らさなくても教えるから!落ち着いてー!」


スノーピンクが落ち着きを取り戻した後にこれまでのことを話した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る