第160話 玉座の間へ

1日全力でレベル上げをした結果がこうなった。


私 Lv61

ユウリ Lv37

カイリ Lv34


スキルの方もカイリは《覚醒》と《狂化》を取得した、ユウリは何も覚えなかったけどね。


パラやスコーンはレベル20で進化したけど2人はしないようだ、もっとレベルが必要なのかそもそも進化しないのか。


「そろそろクールタイムも終わるし魔帝国に殴り込みだー!」

「燃えるぜ!」

「悪魔の国など乗っ取って私の国にしてしまいましょう!」


いやユウリの国には出来ないでしょ……。


戦争イベントの勝利条件がユウリの討伐に変わる事になるよ?


「ご主人様、城まで遠いし飛んで行こうぜ!」

「ご主人様は今の状態だと飛べませんよ、城壁を壊して直進して行きましょう」


なんかユウリがどんどん悪魔的思考になっている気がする、天使が城壁壊すとか普通言わないでしょ。


まあ、でも良い案だし面白そう。


「アスタロト様は玉座の間に到着出来ればあらゆる事を不問とかなんとか言ってたしユウリの案で行こう!"破壊開始"」


早速ユニークスキルを使う。


この先、兵士さんとの戦闘で倒せば制限時間は増えるしステータスは増えるし最初から使ってても大丈夫でしょ。


「まずは黒い城壁ー!」


誰もいない城壁を思いっきり殴って穴を開けた。


『*警告 魔帝国に大きな被害が発生した為、発生源であるプレイヤーは兵士に狙われます』

『関係のない他のプレイヤーはご注意ください』

『発生源……ラビリル』


なんか初めて見る警告だー!


もしかしてこれ全プレイヤーに送られた?


確かにイベント参加の為にそこそこのプレイヤーがいるし何事かと思って様子見にきそうだから警告は必要かな?


私と違ってダメージは無いだろうけど壊れた城壁とかに潰されることはあると思うし。


「侵入者はこっちだ!」

「いたぞ!」


早速兵士さんが沢山現れた。


魔帝国兵士 Lv42

魔帝国兵士 Lv40

魔帝国兵士 Lv39


あっ!ちゃんとモンスター判定なんだ。


「ご主人様、行くぞ!」

「行きますよ、ご主人様」


何故か2人に掴まれた、一体何をするつもり?


「「せーの!」」


と思っていたら2人に思いっきり投げられて家の屋根上まで飛ばされた


「おお、息ぴったり」


ただ単に思いっきり投げられただけじゃなくてちょうどいい感じに屋根上まで投げられた感じだった。


「家を壊しながらよりこっちの方が近道だろ?」

「ご主人様的には壊したかったでしょうけど我慢してください」


2人もしっかりと私を追いかけるように飛んで私の肩に乗ってきた


「2人とも乗るのは良いけど振り落とされても知らないからね!」

「俺が振り落とされるわけないだろ」

「もし振り落とされても飛べますし大丈夫ですね」


それもそうか、じゃあ遠慮なく全力で走っちゃお。


私は転々と屋根上を跳びながらお城の前まで走った。


「こんにちは!そしてさようなら!」


門番の兵士を踏み潰して倒す。


さらに門もバッキバキに破壊しておいた


「盛大に壊しますね……」


ユウリがそう呟いた。


確かに一部壊すだけでここまで壊さなくても良かったね、面白くてつい全部壊しちゃった。


「ご主人様!中からめっちゃ兵士が出てきたぞ!」


ぞろぞろと兵士さんがお城から出てくる。


あーあ、そんなに来られたらもっと強くなっちゃうよ?


「侵入者を――」


前の方にいた兵士さんが何かを言う前に潰しちゃった。


「あはは!たのしー!」


次々と私に向かってくる兵士を潰し回りながら玉座の間を探した。


「ご主人様!ここ、宝物庫ですよ!お宝沢山あります、貰っちゃいましょう!」


鍵のかかった扉を指差しながら叫ぶユウリ。


どう考えても天使にあるまじき行動をしているよね。


「これは……食糧庫じゃねぇか!美味そうな肉が沢山あるぞ、ご主人様!全部奪っていこうぜ!」


カイリの方は食糧庫を見つけたようだ。


いや、探してるのは玉座の間だから!


色々と迷いながら玉座の間を探していたらアイテム欄がいっぱいになっていた、なんでだろうね。


「ここが玉座の間……だよね?」

「大きな扉なので恐らくそうでしょう」

「早く入ろうぜ!」


大きな扉だからって玉座の間とは限らないと思うけどまあ大体の場所は行ったと思うし行ってない場所はここくらいだろう。


「たのもー!アスタロト様の約束通り、会いにきました!」


大きな扉を蹴り倒しながら中へと入っていく。


「……お待ちしておりましたよ」


中に入ると禍々しいオーラを纏ったアスタロト様が同じく禍々しいオーラを纏った杖を手に持って玉座に座っていた。


アスタロト Lv100


『*警告 現在のレベルを大幅に超える敵です。逃げることをオススメします』


さあ、戦闘開始だ。

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