第158話 唐突な殴り込み

「このままの姿で天王国に殴り込みにいこうかな」


流石にやばい?レベル90を3人同時に相手するのにはキツイかな?


「よし、行っちゃおー」


と言うことで来ちゃいました天王国。


門の入り口にはそこそこのプレイヤーがいるのが見える。


「空からの景色は最高だね」


飛べるんだから城壁を越えて侵入してもいいよね?


中に入ると魔帝国とは違ってやっぱり白い家ばっかり。


「あれあれ〜?同族の気配がしたから様子を見に来たら悪魔の気配もするぞ?」


バサっと翼を開く音が後ろから聞こえたと思って振り返ったらそこには天使がいた。


ミカエル Lv90


『*警告 現在のレベルを大幅に超える敵です。逃げることをオススメします』


「三大天使の1人……?早速会えたね」

「おや?ミカエルの事を知っているの?やっぱり同族?」


グンといきなり私の目の前まで飛んできてジロジロと見てくる。


やっぱり速い……さすがの強さだね。


「なるほどなるほど理解した!人間が天使と悪魔を取り込んだ感じかー!《天使の光》」

「眩しっ!」


いきなり私に向かって強烈な光を浴びせてきた、これはユウリが使っていた悪魔を浄化させる光……?


「効かない……?天使が混じっているから耐性でもあるのかな?じゃあ……《真っ向勝負》!正々堂々と戦うしか無いね」

「そっちがその気なら私だって!《絶対領域》」


私の周囲に小さな領域が出来た。


殴りかかってきたミカエルの拳を受け止めてからカウンター気味に殴り返した。


それにしてもここ、街の上空だけどダメージちゃんと与えられるのかな?


「これは驚いた!とっても驚いた!ガブリエルと違って最初から本気だったのにミカエル、ダメージ受けちゃった!」


しっかりダメージを与えられているようで一安心だ。


しかし何故ダメージを受けてミカエルは喜んでいるんだろうか。


「もっと!もっと力を見せてよ!《諸刃の裁き》」


なんかやばい攻撃来そう……。


ミカエルは光のオーラみたいなのを拳に纏わせながら私に向かってくる。


私はさっきと同じように受け止めようとした。


「これはちょっとばかり痛いよ?ミカエルもだけどね!」


受け止める寸前にミカエルがそう言ったのが聞こえた。


「うぐっ!さっきより全然攻撃が重い……!」


さっきの攻撃は軽く受け止められていたのに今の攻撃は気を抜くと吹っ飛ばされそうな勢いだ。


私は攻撃の勢いを受け止めきれず少しづつ押されていく……。


そして何故か急に力が入らなくなりついには吹き飛ばされて地面に叩きつけられた。


「ぐはっ……領域から押し出されちゃった」


急に力が入らなくなったのは領域から出たせいで全ステータス3倍が無くなったからだと思う。


「はぁ、はぁ……これは効いたでしょ?」


若干、息切れしているミカエルが私の真上を飛んでいる。


スキルを使って疲れている……?HPを消費するスキルとかなのかな?


とにかく疲れている今がチャンス!


「《絶対領域》《リミッター解除》」


ステータス30倍に《下剋上》補正とかいうとんでもないステータス補正が私に全て乗る。


ユニークスキルの最強モードすら超えるステータスに私は武者震いが止まらなくなる。


今すぐにでも戦いたい、なんでも出来そうなほどに自信が湧いてくる。


「……これはミカエルも本気の本気を出さないとダメかも!ごめん。ガブリエル、ラファエル――《命ある――」

「だめ、ミカエルちゃん!」


何かミカエルがスキルを使おうとしたところをどこからか現れた別の天使によって止められた。

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