第157話 悪魔要素が強すぎる

「うぅ、まだ目が回っています……」


街中だったのであの爆発の中ノーダメージだったユウリ。


「ラビリル?流石に可哀想だからこれ以上はやめとこう?」

「ガチで面白え……笑いすぎて腹痛いわ」


ユウリを心配するベルテと大笑いしているカイリ、あれ?スノーピンクは?


「スノピはどこに消えた?」

「魔法少女ならラビリルの矛先が自分に向きそうだから逃げるってどっか行ったよ」


チッ!逃げたか!


周囲を見渡してもスノーピンクは見当たらない。


他のプレイヤーは何故か私が目を向けた瞬間に目を逸らしてくる。


「まあ、良いか。流石に夜遅いし寝るよ」

「おっけー!おやすみラビリル!」


私はバタリと倒れているユウリと笑い転がっているカイリを送還してからログアウトした。


そして次の日。


「いやー、お休み最高!」


日曜日だから昨日みたいな深夜までは無理だけどもうすぐ夏休みだからゲームし放題だね!


流石に毎日だと運動不足になりそうだから適度に運動はしとかないとだけど……。


「さて、今日もユウリとカイリのレベル上げかなぁ」


戦争イベントまでに2人のレベルを上げてアスタロト様を倒さないといけないし。


でも今日は天王国で三大天使に会うのもいいなぁ、身分証は金色のやつだからお城に入れるだろうしお城に行けばいるでしょ。


いや身分証でお城には入れるけど無許可で入ると普通に兵士さんが襲ってくるんだっけ?スノーピンクなら許可取れるかな?


「本当は身分証レベル3を持っているスノピに協力してもらおうと思ったんだけどスノピは1人でガブリエルに勝ったとか言ってたし私も1人で勝たなくちゃだよね」


あっ!そうだ、天魔融合とかいう危なそうなスキルも試しとかないと。


「ひとまず誰もいなさそうな場所まで移動しよ」


と言うことで第三層に来た。


第三層ならまだ人少ないだろうし道から外れた場所に来たから誰もいないでしょう。


「《天使召喚》《悪魔召喚》」


早速ユウリとカイリを召喚した。


「ご主人様、おはよう御座います」

「朝から元気だな、ご主人様」


魔法陣から2人とも元気よく飛び出してくる。


「2人ともおはよう、早速だけど天魔融合するよ?」

「なんか嫌な予感するんですけど……」

「天魔融合が何か知らんがやるならこい!」


2人とも準備おっけーのようなので早速天魔融合してみた。


「《天魔融合》」


スキルを使った瞬間、ユウリとカイリが光って私にぶつかってきた。


そしてそのまま2人は私の中?に消えてしまった。


『天使と悪魔を吸収、ステータスを変化させます』


感覚的には悪魔転生に似ている。


「終わった……?吸収って言われたけど2人は消滅してないよね?」


ベルテの仲間吸収は消滅するけど私の天魔融合で消滅するなんて説明に書いてなかったから多分大丈夫だと思うけど少しだけ心配。


「やっぱり見た目も悪魔転生の時と似てる?」


鏡が無いから全体像は分からないけど普通に尻尾があるし角も片方だけだけどある、翼は半分が黒で半分が白。


天使と悪魔が混じった姿なんだろうね。


ステータスはどんな感じかな?


ラビリル Lv55


*天魔融合


HP10000/10000 MP0/0


筋力 100 防御 100

賢さ 100 俊敏 100

幸運 100


スキル《リミッター解除》《理不尽》《飛行》《状態異常無効》《下克上》《絶対領域》《吸収自傷》


《リミッター解除》……使用後、1分間全ステータスが10倍になる(一度の天魔融合で1回のみ使用可能)


《理不尽》……相手や自身が使用するスキルのデメリット効果を全てを無効化する(リミッター解除のデメリットは無効化出来ない)


《下剋上》……相手が格上なほどステータス上昇、格下なほどステータス低下(1対1の場合のみ発動する)


《絶対領域》……使用後、自身を中心に小さな領域が出来る。その領域の中に入っている間は全ステータスが3倍になるが一度でも外に出ると領域は消滅しさらに全ステータスが1/3になる(クールタイム1時間)


《吸収自傷》……ダメージを与える度に少しだけ回復するが回復する度に最大HPが1減少する


「うわ……強っ!」


いや、ステータスは別に高くないよ?俊敏とか元の半分しかないし。


ただスキルが強すぎると思う、特に《理不尽》ってやつ。


これのせいでほとんどのスキルが無条件で悪さ出来てる。


「しかし天使要素が見当たらない……見た目だけなんだけど」


悪魔要素が強すぎないですかねぇ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る