第156話 綺麗な花火だね
「で結局この天使と悪魔はどうやって仲間にしたの?私も欲しいんだけど!」
「色んな条件をクリアすれば仲間に出来ると思うよ」
「その色んな条件が分かれば苦労は無いんだけどねー」
まあ、普通は分からないよね。教えるつもりはないから頑張ってね。
天使も悪魔も第三層にいるから頑張ったら仲間に出来ると思うよ。
「ところでユウリ……だっけ?なんでそんなにボロボロなの?ラビリルにやられた?」
「ご主人様のペットに食べられました……死ぬかと思いましたよ」
「ああ、あいつね。私も食べられたことあるから気持ちは分かる」
「スノーピンクさん……!」
スノーピンクとユウリはがっちりと握手を交わしていた。
なんか意気投合してる……?
「でラビリルは、魔帝国と天王国どっちに加勢する?」
「うーん、まだ迷ってるんだよね。皇帝の悪魔とは会って話したことあるけど天王国の国王とは会ったことないし一度会ってこようとは思ってるんだけど」
今のところはアスタロト様の味方になろうかなと思ってる、味方になったら心強いし何かバフスキルとか私にしてくれそうだし。
「そっか……ってラビリルは皇帝と会ったことあるの?!」
「あ、そういえば言ってなかったね」
私は大体の出来事をベルテに話した。
「ラビリルは皇帝の悪魔と会ってスノーピンクは三大天使と会って……私は普通に観光してただけなんだけど!」
「運が悪かったね」
ガックリと項垂れるベルテ。
あ、そういえばスノーピンクに聞きたいことがあるんだった。
「スノピー!ユウリと意気投合しているところ悪いんだけどちょっと聞きたい事があって……」
「聞きたい事……?っていうかその呼び方何?」
私が唐突に略した名前を言って不思議がるスノーピンク。
「スノーピンクって名前長いから略した!ダメだった?」
「まあ、良いけど……それで聞きたい事って?」
「ガブリエルだったっけ?戦ったの、レベルなんだった?」
「90だった、あとラビリルと違ってちゃんと勝った」
なんか嫌味のように勝ったってところだけ大きな声で言ってきた。
うわ、レベル90に勝ったのかー!私も負けられないなぁ。
確かにアスタロト様より10レベル低いけど強いことには変わりないし本番の戦争だと3人で襲ってくるんでしょ?
「ご主人様、若干悔しそうですよ!スノーピンクさん、もっと言ってやってください!」
「私は"ラビリル"と違ってしっかり"勝った"んだよ!」
いやなんでもう一回言ったし……。
あとユウリも何故スノーピンクの味方してるしこれは後でお仕置きが必要かな?
「ご主人様が悪い顔になってやがる、これはユウリのやつ……死んだな」
ブルブルと私の隣で何故かカイリが震えている。
「ベルテ、ロープとか紐とかない?」
「いきなりなんで?そんなもの持ってないよ?」
「ちょっとやりたい事があってね」
ないなら仕方がない……これで代用するとしよう。
私はアイテム欄からあるアイテムを取り出した。
「ラビリル……!それは例の包帯?!」
「……!やば」
私が爆発する包帯を取り出すとベルテとスノーピンクが私から全力で離れていった。
「ご主人様、それなんだ?」
「その包帯で私の傷を治してくれるんですか?ポーションで治らないのにそれで治るんですか?」
2人は知らないよね。
何も知らないユウリを全身包帯でグルグル巻きにして縛った。
「ふふ、カイリは見ててね。悪い子にはお仕置きだから」
「お、おう……」
私がそう言うと怯えた様子でカイリがベルテ達のところまで離れていった。
「ご主人様?何故皆さんは離れていくんですか?あとこれだと身動き取れませ――」
ユウリが何か言う前に包帯の先を持ってぐるぐると振り回した。
「ああああああ!ごしゅ……さ、ま!目が――」
ぐるんぐるん振り回しまくってユウリの声が広場中に響く。
他のプレイヤーも離れて様子を見ていた。
「あはは!これ楽しい!」
「止め……ごしゅ――」
なんか振り回すと声がでるオモチャみたいだね。
「うわ、完全に仲間をオモチャ扱いしてるよ……」
「ごめんユウリ……助けられない」
「俺、悪魔だけどあんな悪魔的な事出来ねぇよ」
ベルテたちが何か言ってるっぽいけどユウリの叫び声で何言ってるか分からないね。
あ、だんだん包帯が熱くなって赤くなってきた。
「そろそろフィナーレだよー」
「い……何を――」
何度もこの包帯が爆発するのを見てきたから大体の爆発する時間が分かってきた。
「いくよー!せーのっ!」
私は包帯から手を離す。
ユウリは勢いよく上空に飛んでいきそのまま大爆発した。
「綺麗な花火だね!」
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