第154話 忠告はしたぞ
「レベル上げどうしよう?」
一応、レイドボスにまだ挑めるっぽいけど意外と挑む人多い感じだし何度も周回するのにいちいち待つのは勿体無いよね。
「普通に第三層で雑魚狩りするかー」
という事でまた第三層に来た。
色んな武器を持ってるミニデビルがそこらじゅうに沢山いる。
「悪魔もどきになんか負けるかよ!」
「悪魔は浄化します!《天使の光》」
カイリはミニデビルをボッコボッコに殴ってユウリは天使の光でミニデビルを浄化していた。
それにしてもユウリはともかくカイリはレベル1なのになんで30レベル前後のモンスターを一方的に相手出来てるの?
元々持ってた戦闘技術が高いからかほとんどの攻撃を避けたりして倒している。
『カイリのレベルが上がりました』
『カイリのレベルが上がりました』
『ユウリのレベルが上がりました』
・・・
・・
・
2人がどんどん倒していくから私が加勢する隙もない。
そして2人のレベルが上がっていき倒す速度も上がっている。
「MPが無くなってしまいました……」
「お?あの嫌な光が無いと倒せないのか?天使は非力だな」
「MPが無くとも倒せますよ!」
あーあー、また2人の喧嘩が始まったよ。
MP無くなったら別にポーション上げるのにムキになってユウリもミニデビルを殴り始めた。
「結構ダメージ受けてるみたいだが大丈夫か?俺が加勢したろうか?」
「《癒しの光》……誰が悪魔に手を借りるものですか!」
近接戦闘が得意では無いユウリはそこそこダメージを受けていたが自分で回復していた。スキルの武装を使えばユウリの得意な槍を出せるのに拳で戦おうとするからじゃん。
結局、ミニデビルがいなくなるまでユウリは拳で戦っていた。
「随分苦戦してたみたいだな!」
「……まだまだ余裕ですよ」
ほぼ無傷のカイリに対して飛ぶのもフラフラなユウリ。
「まあまあ、喧嘩はそのくらいにしてお茶でも飲む?」
「飲みます」
「お、貰うわ」
お茶一つで喧嘩が収まる、2人とも単純だね。
そうだ、ちょうど落ち着いたしパラとスコーンを2人に紹介しよう。
カイリはパラやスコーンのこと知ってるけどユウリは知らないだろうし。
「スコーン召喚」
ポンとスコーンが私の目の前に現れた。
「おっ!こいつはご主人様のペットじゃん」
「ご主人様のペットですか?ペットにしては強そうですね」
「そりゃ、ボス時代の俺を傷つけられるくらいには強いと思うぞ」
ユウリは早速スコーンに近づいてペタペタと触っていた。
スコーンはユウリを見ているだけで特に何もしない。
「あなたもご主人様にこき使われているんですね……仲間のことをペットなんて呼んで酷いご主人様ですよ」
「いや、こいつはご主人様のことを尊敬しているみたいで敬意を示してるようだぞ。ご主人様の為に自ら盾になって犠牲になるレベルで」
「え……やっぱりご主人様らしいペットですね」
なんか知らないけど私とスコーンのことを馬鹿にしている気がする。
というかスコーンはそんなこと考えてたの?確かに捨て身で攻撃したりパラは時折私の命令を無視するのにスコーンは全てしっかりと守っていた気がする。
「スコーン……今度一緒に遊ぼうね!」
私はスコーンを撫でてから送還した。
「じゃあ次はパラ召喚」
ポンとパラが私の目の前に現れる。
「うげっ、そいつ俺苦手だわ」
「その子もご主人様のペットですか?先程のスコーンと違ってあまり強くなさそうですね」
ユウリがパラの上に乗っかって寝転がる。
「見た目は少しあれですけど良い寝心地ですね」
「おい、一応仲間だから忠告しておくがそこに乗るのはやめておいた方がいいぞ」
「何でですか?カイリは苦手って言ってましたけどこんな大人しい子が苦手なんて悪魔もそんなものなんですね」
「今に見とけよ……俺は知らんからな」
私もやめておいた方がいいと思う、だってユウリが乗ってる場所……頭だけど口だし。
「え……なんか頭が開いて――ぎゃー!口?!」
パラの口が開いて頭の上に乗っていたユウリが口の中に放り込まれていく。
一応、パラも食べるの我慢してくれてたっぽいのにユウリが頭の上に乗っちゃうから我慢出来なくなって食べたくなったみたい。
「ご主人様!助けてください!ご主人様のペットでしょう?!」
なんとかユウリは飛んで逃げようとするが足が完全に咥えられて動けなくなってる。
「いや、この状態のパラは無理だね!下手したら私が食べられるもん」
「忠告したのに退かないからだ、自業自得だ」
ユウリは食べられるのを抗っているがどんどん口の中に入っていった。
「ご主人様!ご主人様ぁー!」
ユウリの叫び声が辺りに響いた。
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