第153話 天使と悪魔の喧嘩
そうだ!悪魔のステータスも見ておこう。
名前無し Lv1
種族 悪魔
HP100/100 MP500/500
筋力 100 防御 50
賢さ 10 俊敏 100
幸運 10
スキル《飛翔》《悪魔の爪》《狂化》《挑発》
《挑発》……10秒間対象の敵1体を自身に釘付けにする(プレイヤーには効かない、クールタイム5分)
脳筋タンクだ、役割がパラと被っている気がする。
「やっぱり名前ないんだね?私が決めて良い?」
「あ?まあ良いが……変な名前は嫌だぞ」
「悪魔だからアクってのは?」
「いやほとんどそのままじゃねえか!却下だ却下!」
「私の時も最初、天使だからテンでしたよね……」
却下された、やっぱり少し捻った名前じゃないとダメらしい。
うーん、天使のユウリにちょっと寄せた名前にしようかな?
「ご主人様に瞬殺されたんですから負け犬とかどうですか?」
少し考え込んでいたらユウリがそんなこと言ってきた。
「は?お前、俺に殺されそうだったのに何言ってんだ?お前こそ負け犬以下だろ」
「今なら私の方が強いですぅー!悪魔になんて負けてませんから!」
「よし!今ここでぶっ殺してやる!」
「天使の光で浄化してあげます!」
「ちょっ!2人とも喧嘩はダメー!」
まさに今、2人が戦おうとしていたので私は全力で止めた。
「今頑張って名前考えてるんだから戦うのは後にして!」
「戦うのは良いのかよ……」
「戦うのは良いんですね……」
2人で声揃えて言うなんて仲良いじゃん。
「よし、名前決めた!カイリ……でどう?」
「カイリか、良い名だな!」
喜んでくれて何より。
「なんか私の若干似てません?」
「気のせいだろ?」
「脳筋には分かりませんよ」
「あ?やるか?」
「私に挑んで勝てると思いで?」
まーた喧嘩してる、まあここボス部屋だし誰もいないから良いか。
存分に戦ってもらっても全然平気だね。
誰かがレイドボスに挑まない限りはボス部屋にいても構わない。
「お互いスキルは無しにしようぜ?」
「良いでしょう、では勝負開始です!」
あーあ、そんな約束しちゃってユウリは大丈夫かな?
レベルが1とはいえカイリは近接戦闘得意なステータスしてるんだよ?
流石に20レベル以上の差があるしユウリが勝てるとは思うけど。
「おらっ!」
「やあ!」
しばらく2人の様子を見ることにした。
ステータス的にはユウリの方が高いけどカイリの方が近接戦闘が上手いのか綺麗に攻撃を逸らして避けたりしながらユウリに攻撃していた。
2人の戦闘技術が相当高いから見てて面白いのもそうなんだけど2人とも小さいから普通に可愛い。
「くっ!意外としぶといですね!」
「流石にさっきと違って身体が重いな……早くこの身体に慣れないとだな!」
おっ!そろそろ決着つきそう?
『次の挑戦者が現れた為、強制送還します』
急なメッセージと共に視界が切り替わる。
「あ、レイドボスの挑戦者が来ちゃったから強制的に街に戻されちゃった……ユウリとカイリは?」
辺りを見渡すが2人が見当たらない。
2人はどうなっちゃった?もしかして置き去り?それとも強制送還って表示されてたし2人の事も送還された?
「《天使召喚》《悪魔召喚》」
2つの魔法陣が現れてユウリとカイリが再度現れた。
「もう少しで私が勝てそうだったのになんか送還されました」
「もう少しで俺が勝てそうだったのになんか送還されたぞ」
やっぱり声を揃えて言って仲良いよね。
「いや私の方が優勢だったでしょう?」
「いいや!俺の方が押してたね!」
「まだやりますか?」
「やってやろうじゃん!」
「2人とも待って、ここ街中。めっちゃプレイヤーに見られてる」
2人が珍しいのかめっちゃプレイヤーが見てるから勝負はまた今度ね。
そもそも街中だと決闘以外でダメージ与えられないから勝敗決まらないし。
「ちっ……勝負はまた今度な」
「仕方ありません、勝負はお預けとしましょう」
うんうん、聞き分けがいい子達だね。悪い子にはパラの餌の刑が待ってるからね!
「なんか悪寒が……」
「奇遇ですね、私もです」
2人とも震えちゃって可愛い!
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