第152話 悪魔召喚

「ユウリー!」

「いや、本当に弱ぇのかよ?!」


何故か悪魔も驚いている。


なんとかユウリのHPは残っていたので悪魔も手加減したデコピンだったのだろう。


「い、《癒しの光》……死ぬかと思いました」


フヨフヨと飛んで私の横まで戻ってきた。


「ユウリにはまだ無理そうだし私が倒すかー」

「はっ……?」


一瞬で短剣を手に持った私は隣で無防備に驚いている悪魔の首をスパッと切り落とした。


「卑怯……だ、ぞ」


悪魔はそう言い残して消滅していった。


『"名もなき悪魔"を討伐しました』

『スキル《悪魔召喚》を取得しました』

『特殊条件をクリアしました』

『スキル《天魔融合》が解放されました』

『スキル《悪魔転生》が消滅しました』

『ユウリのレベルが上がりました』

・・・

・・

『ユウリがスキル《覚醒》を取得しました』

『ユウリのスキル《飛翔》がスキル《飛行》に進化しました』


極悪非道のおかげか一撃で倒せたね。


ってちょっと待って?私のとっておきスキル《悪魔転生》が消滅したんだけど?!


後で確認しなきゃ……。


「ご主人様……卑怯ですね」


ユウリはどっちの味方なの?!


「しかしご主人様のおかげで少しだけ力が元に戻った気がします」

「めっちゃレベル上がったからね!」


一気にパワーアップしたユウリ、レベルは20くらい上がった。


《悪魔召喚》……悪魔を召喚出来る。悪魔は死亡するか送還するまでその場に居続ける(最大MPの半分を消費)


取得条件……全力の悪魔よりレベルが低い状態でかつ天使転生又は天使召喚を使用して勝利する。


《天魔融合》……天使と悪魔を取り込むことで天魔になれる。効果時間は死亡するか解除するまで続く。


取得条件……天使と悪魔が召喚可能になる。


ほうほう、なるほど……悪魔転生が無くなった代わりに天魔融合が使えるようになったと。


あと悪魔召喚で召喚される悪魔って多分さっき不意打ちで倒した悪魔だよね?これからレイドボスどうなっちゃうんだろ……?


「まあ、悪魔に聞けばいいか《悪魔召喚》」

「ご主人様?!今、悪魔召喚って……」


ユウリと同様に魔法陣が出来てピカーっと光る。


「ん?もう次の……ってなんか身体がちいせぇ?!」


手のひらサイズの悪魔が魔法陣から現れた。


確実にさっきの悪魔だね。


「ご主人様……あの悪魔も捕らえたんですか?奴隷が増えましたね」

「は?ご主人様?!なんで?」

「はいはい、落ち着いて。とりあえずお茶飲む?」


やっぱり困惑しているみたいだったのでユウリと同じようにお茶を渡して落ち着かせてみる。


「いやお茶飲んでる場合じゃねぇだろ?!……意外と美味いじゃん」

「あ、私もいただきます」


悪魔も天使も虜にするアルマ印のお茶は最強だね、後でアルマさんに追加で貰いに行こっと。


「落ち着いたところで聞きたいことがあるんだけどいい?」

「良いも何も本能がご主人様に絶対服従だから命令されたら抗えないんだけどな……」

「ご主人様、お茶のおかわりください。あとお茶に合うお菓子とか無いですか?」


ユウリは自由だね、最初の頃の雰囲気はどこへいってしまったのだろう……?


私はお茶のおかわりとお菓子をユウリに渡しつつ話を続ける。


「レイドボスがいなくなる訳だけどそれって大丈夫なの?」

「しらん!」

「そっかぁ、知らないかぁ……」


まあ、運営さんがなんとかするでしょ。レイドボスを召喚出来るようにしたのが悪い!私は悪くないからね。


聞きたいこともそれだけだったのでユウリの新しいスキルを見てなかったし見てみよう。


《覚醒》……元の身体の大きさに戻りステータスが大きく上昇する(制限時間30分、クールタイム24時間)


《飛行》……自由に空を飛ぶことが出来るが高く飛びすぎるとダメージを受ける(MP消費無し)


おお!元の大きさって言うと神殿で戦った時のやつだよね?これは心強い!それにMP消費無しで自由に空を飛べるのも強いね!


レベルが上がったのにあまりステータスは上がらなかったのは覚醒ありきのステータスなのかな?

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