破壊衝動が抑えられない少女はVRMMOの世界で破壊の限りを尽くすようです

第149話 神殿破壊

私と天使さんの拳がぶつかり合う音が神殿に響く。

「浄化の力で相当なダメージがあるはずなのになぜ笑っているのですか？！」

「アハハハ！楽しいからね！」

天使さんの纏っている光のオーラに触れるたびに焼けるような痛みを感じるがそんなことよりも楽しさが勝っていた。

「天使さんだって限界が近いんでしょ？武器無しの戦いが苦手なのわかるよ！」

「あなただって飛べなくなるくらいMPが少ないですよね？悪魔には負けませんから！」

私と天使さんの全力の一撃がぶつかろうとしていた。

「楽しい戦いもこれで終わりだね！」

「これで終わらせます！」

拳と拳がぶつかり衝撃波のようなものが周囲に広がる。

バキッ

「いっ！」

「先にあなたの方が限界が来たみたいですね！」

私の腕が折れて拳が砕けた。

でもまだHPは残っている

「まだもう片方の腕があるもんね！」

天使さんは私の腕を壊したことで油断したのか反撃するとは思っていなかったのか対応出来ずに私の拳が天使さんの顔にクリーンヒットした。

「ゴホッ……！」

天使さんは吹っ飛び神殿の壁に激突する。

「まだ……生きてる、んですか」

「へ、へへへ……まだ戦える、よ！」

「本当……悪魔というものは狂っていますね」

「えへ、楽しいからねぇ！」

私は再び天使さんに向かって突撃をした。

「またあなたの腕をへし折ってあげます！」

「もう折られないから！」

私は床を力強く蹴り空高く跳ぶ。

「一体何を……！」

「まだ少しはMP残ってるから……《簡易結界》」

私はくるんと回り上空に張った結界を蹴る。

「これならさっきより威力が上がるよね！」

「その程度で私はやられません！」

上から叩きつけるように私の拳が天使さんにぶつかる。

そして私の拳は天使さんの拳を砕く。

「私が負け……」

「はい、終わり」

そしてその勢いのままぐちゃっと顔を踏み潰した。

『"名もなき天使"を討伐しました』

『レベルが上がりました』

・・・

・・

・

『スキル《真っ向勝負》を取得しました』

『スキル《極悪非道》を取得しました』

『スキル《天使召喚》を取得しました』

『スキル《天使転生》を取得しました』

『スキル《悪魔転生》を取得済みの為、スキル《天使転生》の取得がキャンセルされました』

『悪魔転生時限定でスキル《天使の光無効》を取得しました』

やばっ！身体の昂りが治らない……恐らく狂化のせいだ。

「ふー……《悪魔転生解除》」

なんとか悪魔転生を解除して昂りを抑えた。

「危なかった、このままだと街中で暴れ回ってもおかしく無かった」

初めて狂化を使ったけどあんなに気分良くなっちゃうんだ、誰彼構わず壊したくなってしまう。

使う時はなるべく敵しかいない場合だけにしよう。

「いや、MP少なかったし街に着く前に効果切れてた？」

まあ、一旦この神殿から離れよう……なんか戦いの衝撃で今にも崩れそうだし。

私は外に出る。

「さて！どうせほっといても壊れるだろうし私が壊してしまおう！」

この綺麗な神殿、壊してみたかったんだよねー。

片腕は壊れて動きそうにないので壊れていない方で殴る。

ちょこっと殴った程度だったのに神殿は綺麗に崩れてしまった。

「これ、直るよね？」

そもそも天使さんは復活するのかな？復活しなきゃ色んなイベントが無くなりそうだし復活するよね。

私は少しだけ心配になったがまあ良いやと思いその場を去った。