第139話 二択

「ざまあみろなのじゃ!」


悪魔を倒せてとても喜んでいるあるふぁさん、何度も負けてたもんね。


「ギリギリだったけど倒せてよかったね」

「疲れたー」


ペタンと座り込むスノーピンクとベルテ。


その間にあるふぁさんが宝箱を持ってきてくれた。


「今回の宝箱は随分と小さいのじゃ」

「そうなの?」


本当だ、ドラゴンを倒した時の宝箱よりも全然小さい。


ベルテとスノーピンクは知らないだろうけどね。


「とりあえず開けてみるのじゃ」


あるふぁさんが小さな宝箱をパカリと開ける。


中身を見ると小さな鍵が5つ入っていた。


「なにこれ?鍵?」

「鍵じゃな」

「鍵だね」

「鍵じゃん」


みんな同じような感想を呟く。


「とにかく性能を見てみよう」

「そうじゃな」


私たちはそれぞれ鍵を手に持って説明を見た。


転移の鍵……登録した場所(一部を除く)に転移が出来る。何回でも使用可能、登録出来る場所は1つで再登録すると上書きされる。戦闘中は使用出来ない。


「めっちゃ便利なアイテムじゃん!」

「いいじゃん」

「移動が楽になる〜」

「大当たりアイテムキタのじゃ!」


これで登録さえしとけばすぐに街に戻れたりボスゲートとか行けるようになるね。


余った鍵がいつのまにか消えてるんだけどモブさんに転送?されたのかな?


誰かが奪ったわけじゃないよね?


「それで皆は第三層行くのじゃ?我は行くのじゃ」

「私は行くよ、めっちゃ楽しみだし」


第三層への扉は目の前にある、行かないわけがない。


「んーせっかくだし行こうかな、魔法少女も行くよね?」

「もちろん行く」


みんな行くみたいなので全員で一斉に第三層への扉に入っていった。


そして入った先に広がっていた光景は……至って普通な平原が広がっていた。


「あれ?何もない……」


最後に扉から出てきたベルテが呟いた。


「一応、この扉周辺は街判定っぽいね。ログアウトできる」


スノーピンクがメニュー画面を触りながらそう言う。


私もメニュー画面を見てみるとしっかりログアウトのボタンが光っていたからログアウト出来るっぽい。


「あそこに看板があるのじゃ」


あるふぁさんの指を指す方向に大きめの看板が立っていた。


ここから西へ……悪魔を信仰する魔帝国


ここから東へ……天使を信仰する天王国


こう書いてあった。


「悪魔……ねぇ」

「悪魔がいれば天使もいるんじゃな」

「魔帝国の治安悪そう」


あの悪魔のせいで魔帝国の印象最悪だね、天使ってあの神殿にいた天使さんかな?


「みんなはどっちに行く?」


なんとなく答えが分かっちゃうけど一応聞いてみた。


「どっちも行くけどまずは天王国かな」

「天王国じゃな、悪魔はこりごりじゃ」

「ご飯が美味しい方」


スノーピンクだけ答えになっていないけどやっぱりみんな天王国だね。


「私は……魔帝国行こうかな、悪魔転生出来るのバレたらヤバそうなの天王国の方だし」


天使さん、悪魔のこと目の敵のようにしてたし街中で兵士に追いかけ回されるのやだよ。


「あー確かにラビリルは魔帝国の方が良さそうだね」

「じゃあここでお別れじゃな」

「バイバイ」


結局みんな天王国に行くみたいで私はみんなと別れた。

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