破壊衝動が抑えられない少女はVRMMOの世界で破壊の限りを尽くすようです

第137話 はい？

「お前が居ようが関係ねぇ！ぶっ殺す！」

「うぐっ」

そう言って悪魔は私に殴りかかってきた。

私は上手く腕を前にして攻撃を防ぐがそこそこ良いダメージを受けてしまった。

腕いたぁ……相変わらずとんでもない筋力してるね、これでまだ狂化とか使ってないし。

「ラビリルしゃま〜！」

「ラビリル大丈夫？！」

ベルテとモブさんが叫ぶ、その一瞬で悪魔の矛先が2人に向いた。

「うるせぇ」

やばっ！助けないと！

「"魔王降臨"」

「"愚か者に救済を"」

2人の目がピカーッと光り始める。

悪魔は2人に攻撃したもののユニークスキルの発動時無敵時間により全く効いておらず一度引いた。

「いやーこの無敵時間便利だね」

「はい！とても便利です」

2人がのほほんと話す。

悪魔はその状況に笑っていた、とても楽しそうだった。

「最近俺に挑んでくる奴らみんな雑魚だったからうんざりしていたがあいつ以外にも強いや――」

悪魔が喋っているところにボカンと魔法らしきものが当たる。

「誰が雑魚じゃ！」

「もうラビリル以外には負けないって決めてるから」

遠くに飛ばされたあるふぁさんとスノーピンクが反撃したようだった。

「お前ら最高だぜ……」

魔法が直撃したのにも関わらず全く効いていない様子の悪魔。

「うわぁ、なんかあの笑顔に既視感が――」

「似てますねー」

「なんども見たことある嫌な顔……」

「頼りになる顔じゃな」

なんかみんなが悪魔と私を交互にチラチラ見てくる、まさか私と悪魔が似てるってこと？！

「まずはお前ら2人からいくぜ！《悪魔の爪》」

ベルテとモブさんに悪魔が向かって行く。

「うわ、こっち来た！こうなったら……！《仲間犠牲》」

「《スピードモード》《ステップ回避》」

モブさんは華麗に避けてベルテはなんかスライムを召喚してそのスライムを盾にした。

スライムであの悪魔を防げるのが不思議だがそういうスキルなのだろう。

「さらにー《仲間自爆》！」

悪魔の攻撃を防いで犠牲になったスライムが消える前に爆発した。

スライムの扱いが酷い……。

「ベルテに続くのじゃ！《ファイアボール》×50」

「《魔法超強化》」

スノーピンクがあるふぁさんに触れながらあるふぁさんが魔法を使うといつもとは比べ物にならないくらい大きな炎の球が大量に現れて悪魔に全て放たれる。

悪魔のHPが目に見えて減っていた、あと3割くらい？

「ラビリル！最後やっちゃえ！」

「ラビリルしゃま〜！」

「やってしまうのじゃ！」

「がんばれ」

こんなにも期待されたらやるしかないじゃん！

「"破壊開始"」

ユニークスキルを使い私は悪魔の方に突撃する。

爆発の煙が晴れて見えた悪魔の姿はボロボロだった。

「今度は負けないぜ！」

「今度も負けるんだよ！」

思いっきり力を込めて悪魔に殴りかかった。

ピシッ

私の拳は悪魔の爪を砕き、悪魔の身体に思いっきり当たった。

「ガハッ……！やるな――」

3割程度だった悪魔のHPがぐんぐん減って…………数ミリ残った。

「え？あともう1発！」

私はトドメを刺そうともう1発殴ろうとする。

「負けないと言っただろ！」

私の攻撃が当たる瞬間に悪魔から大きな衝撃波が出て私は遠くに飛ばされてしまった。

「ラビリル！」

吹き飛ばされた私を上手くベルテが受け止めてくれた。

「うそ……悪魔のHPが――」

スノーピンクが何か呟いた、悪魔のHP……？

悪魔のHPを見るとなんとぐんぐん回復していって半分くらいまで回復していた。

ボスが回復するのは反則でしょ？！

「まだまだ死なねえ！」

悪魔が赤と黒が混ざったような禍々しいオーラのようなものを纏っていた。

第二形態……？イベントの時はそんなのなかったじゃん！

「《悪魔の波動》」

さっきの衝撃波が禍々しいオーラみたいなのを纏った状態で私たちに飛んできた。

「《防げ》！」

スノーピンクが手をかざして衝撃波を止めようとしたが衝撃波は全く止まらず私たちにぶつかった

「あれ？ダメージ無し？」

そう思った瞬間、カクンと身体が重くなった。

この感覚はユニークスキルが切れた……？なんで？

近くにいるベルテたちを見るとしっかり目の光が無くなってユニークスキルが解除されていた。

『《悪魔の波動》の効果により魔の者以外のステータスが大幅に減少し発動中のスキルが強制的に解除されました』

はい？