第135話 椅子でしゅ
「ラビリルさん!ありがとうっス!」
ボス戦を終えてついに私もレイドクエストに挑戦できるようになった。
カティアも第二層のボスは初めて倒したみたいでとても喜んでいた。
「じゃあうちは寝るっス!お疲れ様っス!」
「うん、お疲れ〜!」
私はカティアと歩いて雑談しながら街に戻りすぐにカティアは配信を終えてログアウトしていった。
あっちなみにボス戦の宝箱はお金だったよ、半々に分けようとしたらカティアが全部貰っていってくれと言ってきたので遠慮なく全部貰った。
お金は第二回イベントで全額私に賭けてたからめっちゃ儲かっているんだと。
私の方がどう考えても儲かっているけど。
「私も寝るかー」
レイドクエスト楽しみだなぁ、どんなボスモンスターが出るんだろうね。
そう思いながら私もログアウトしてすぐに寝た。
そして数日後、レイドクエストの為にあるふぁさんが集めた人たちが集まることになった。
「おーい!ラビリルーこっちこっち!」
ベルテが手を振って私を呼ぶ。
「ベルテ達も呼ばれたんだね!」
前回は11人しか居なかったけど今回はちゃんと20人集まってそう。
「ラビリルしゃま!今回もご活躍を楽しみにしてましゅうぅぅぅ!」
「モブさんも相変わらずだね……」
モブさんが私の前に来るや否や四つん這いになる。
「えっと、何してるの?」
「椅子でしゅ」
「え?今なんて……」
「椅子でしゅ!どうぞ待ち時間は僕の上にお座りくだしゃい!」
「ええええええ!」
これどういう状況?!確かにこの辺りに座る場所は無いけどそもそもゲームだからずっと立っていても疲れないよ?
「プッ……ラビリルおもしろ」
ちょっとそこで何か食べてるスノーピンク!なぜ私を笑った?!
あとベルテも面白そうだからってこの状況を放置しないでモブさんの事を止めてよ?!
「お主達、何しとるんじゃ……」
あるふぁさんが呆れた顔で私の事を見てきた。
「実はコレコレこうでね――」
ベルテがあるふぁさんに状況の説明をしてくれた。
「ラビリル……お主、そういう趣味があったのじゃな」
ベルテー!絶対変な説明をしたでしょ?!凄いあるふぁさんが優しい穏やかな目で見つめてくるんですけど?!
「まあ、人にはそれぞれの趣味があるから気にするでないのじゃ」
「ちがあぁぁう!絶対誤解してるからね?!」
私はちゃんとした説明をあるふぁさんにした。
「なんじゃ、モブが暴走しただけなのじゃな」
なんとか誤解を解くことに成功した。
「ベルテが変なこと言うから余計大変なことになったじゃん!」
「ごめんごめん、面白くてつい……ね」
舌をぺろっと出して可愛げに謝ってくる。
後で何かしら仕返ししてやるから!
「それで人は集まったの?」
見たところ人は沢山いる、ただこれは私たちが集まっているから見にきた人たちばかりっぽいよね。
「それなのじゃが色々と予定がある人が多くてここにいるラビリル、スノーピンク、ベルテ、モブ、我の5人じゃ!」
「へ?」
「なんと?!」
「マジ?」
「ん?」
私たちそれぞれが驚く、なんか前回11人で少なめだったのにもっと少なくなっちゃったね。
もうそれレイドパーティって言えるの……?
「レイドボスってレベル60なんだよね?勝てるの?」
「……それはまあ、なんとかなるじゃろ」
なんとかなるのかなぁ……。
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