第132話 私は悪くない!
「ふぅ、なんとか宿題間に合ったー」
モモと答え丸写しだとバレちゃうからちょくちょく違った答え書いてなんとか宿題を終わらせた。
なんとかと言っても15分ほどで終わったけどね。
「いつもギリギリに学校くるから教室に誰もいないの新鮮だな」
辺りを見渡すが教室にはまだ私たち以外誰もいない、あと30分くらいは誰も来ないだろう。
「早く来すぎちゃった?モモ…………モモ?」
「すぅ、すぅ」
「ね、寝てる!」
いつのまにかモモは隣の机に伏せて寝ていた、昨日も遅くまでゲームしてたっぽいし悪いことしちゃったなぁ。
「眠いのに文句も言わず……モモは凄いね」
ちょんとほっぺをつついてみた、すごくモチモチだ。
「んん……」
私がほっぺをつついたせいかモゾモゾとモモが若干動く。
まだ起き無さそうなので髪も触ってみる。
「相変わらずモモの髪はサラサラだね〜」
優しく撫でるように髪を触る、髪からいい匂いがふわりとしてきてちょっと我慢出来なくなりそうになる。
ああ、この頭に飛びつきたい。
「……いつも抱きつくのやめてとか身の危険を感じるとか言いながらこうやって無防備に寝て、そのうち襲われても知らないからね」
最後にもう一回ほっぺ触っちゃお。
プニプニとまたモモのほっぺを触ろうとする。
「ん……はむ」
「モモ?!」
なんとモモが私の指を咥えてきた。
ガジガジと私の指を甘噛みしてくる。
「やばっ……モモの柔らかい唇に挟まれて――」
ダメだよ、こんなことされちゃ我慢出来なくなっちゃう。
「ひぅっ!」
モモが!指先をペロペロしてるぅー!すっごいゾワゾワくるって!
「はぁ、はぁ……」
もう我慢出来ない。
「こうなったのはモモのせいなんだから責任取ってよね!」
我慢ができなくなった私は寝ているモモに抱きつこうとした。
ゴリっ
「いたぁ!」
抱きつこうとしたその瞬間、モモに思いっきり指を噛まれた。
そして目を開けたモモが私をジーっと見ている。
「あはは……おはようモモ」
ガリっ
「ぎゃあああ!!!」
私の悲鳴が教室中に響いた。
・・・
・・
・
「うぅ……酷い目にあった、ちゃんと指あるよね……?」
紗由佳が涙目になりながら指を見ていた。
なーんか口に異物を感じて目を覚ましてみたら紗由佳が私の口に指を入れて興奮していた。
やばそうな雰囲気がただよっていたからそこそこの力で噛んでみた。
「それでなんであんな状況になってたの」
「モモが!私の指を咥えたんだって!私は悪くない!」
「ふーん、本当かなぁ」
紗由佳のことだからちょっと信用できないんだけど本当だとしてもすぐに引っこ抜けたよね?あれはどさくさに紛れて私の口を堪能していたって絶対。
「口以外には何もしてない?」
「……髪とほっぺを触りました」
「それだけ?」
「はい……」
なんだ、意外と何もされてないじゃん。
髪とかほっぺならまあ、知らない他人とかは絶対に嫌だけど別に紗由佳になら許せるっちゃ許せるし。
てっきり下着とか覗いたのかと思っていたよ。
「それで宿題は終わったの?」
「それはバッチリ!」
宿題はちゃんと終わらせていたらしい、暇になって私を触っていたのか。
スマホで暇つぶしも取り上げられているから無理だもんね。
「あ、そろそろ人が来る時間帯だから自分の席に戻るね」
廊下から足音が聞こえてくると共に紗由佳が隣の席から逃げるように移動を始めた。
「……まだ時間あるしもうちょっと寝とこ」
流石にクラスメイトがいる前では何もしてこないでしょ。
私は授業開始まで眠りについた。
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