第131話 宿題見せるのやめようかな
「短剣1発で終わるもんなの?」
すぐにボスが倒れて不思議に思うベルテ。
「いや、普通終わらないでしょ……絶対特殊な倒し方したって」
スノーピンクがなんかメニュー画面をポチポチしながら喋る。
確かにレベルが低かったとはいえ一撃は無いよね。
「ちょっと調べてみたけど正面からの攻撃ではほとんどダメージが入らないので背中や首元、足元などを狙いダメージを重ねていくとマッスルマンが自分の筋肉に自信が無くなり正面にもダメージが入るようになる……らしい」
普通に正面からダメージ入ったけどその攻略サイト合ってる?間違った情報だったりしない?
「でもラビリルの短剣は正面からブスッと刺さったよね?」
「恐らく一撃で筋肉への自信を無くす?と特殊演出みたいなので倒れるのかな」
そんな特殊演出あるのかなぁ、でも実際一撃で倒れたしあるのかもね。
「まあ、あんな筋肉野郎のことなんてどうでも良いし宝箱開けようよ。制限時間内にボス部屋出ないと宝箱無くなるし」
ボスゲート前で待っているプレイヤーがいるとボス倒し終わった後に制限時間がある。
その制限時間内に出なかったら強制的に出されて宝箱とかは消滅するからとっとと宝箱を取って出よう。
「ラビリル〜開けて良い?」
「あ、うん。いいよ」
ベルテが宝箱ごと私の前まで持ってきた。
あれ持てるんだ……初めて知った。
そういえば宝箱壊したことあるし持ち運ぼうと思えば出来るのか。
「さーて、中身はなんだろな……」
パカリと宝箱を開けて中身を見てみる。
「えぇ……」
「いらな」
「何これ?」
なんか謎の飲み物?が10本くらい入っていた。
私はその飲み物を手に取って説明を見てみる。
筋肉増強プロテイン……飲むと1時間の間、筋力が10増加する。
「無難なドーピングアイテムだね」
「魔法使いとしては普通に要らないよ」
「あんまり美味しく無さそう」
スノーピンクだけ味の話、プロテインとか飲んだことないけど美味しいのかな?後で飲んでみよう。
「私たちは要らないからラビリルが全部貰ってって良いよ、そもそもラビリルが倒したし」
「良いの?じゃあ遠慮なく全部貰ってくね」
私はプロテインをアイテム欄に収納してから全員でボス部屋を退出した。
「じゃ私は寝るね」
明日早めに学校行って紗由佳に宿題見せないといけないから私が寝坊したら紗由佳が大変な事になる。
「お疲れ〜」
「お疲れ様」
2人に手を振りながら私はログアウトした。
そして次の日……
「モモ〜!おはよー!」
「紗由佳、挨拶と共に抱きついてくるのやめない?」
早めに家を出て学校まで歩いていたら後ろから紗由佳が抱きついてきた。最近、いつも抱きついてくるから慣れてきたといえば慣れてきたのだがこれを慣れても良いものなのか……。
「えーやだよ?」
「……宿題見せるのやめようかな」
紗由佳が拒否してきたので今1番効きそうな言葉を言ってみた。
「すみませんでしたー!今後は抱きつくの控えるので宿題見せてください!」
凄い勢いで紗由佳が土下座をする、道路に土下座って痛くない?
あと控えるだけで抱きつかないわけじゃないんだね……。
「わかったから土下座はやめてよ……なんか私が悪いみたいじゃん」
ちょうど人が誰もいないから良いけど誰かに見られたら大変な状況だよ。
「やった!じゃあ早く学校行こう!」
紗由佳はすぐに立ち上がって私の手を取りながら歩き始めた。
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