第126話 スキル調整

祝勝会から数日、やっとアップデート情報が出た。


「ふむふむ、第二層のレイドボス追加と第三層の追加……あとはスキル調整ね」


次のレイドボスはどれだけ強いんだろう……楽しみだなぁ。


その為にはまずボスを倒さないといけないよね、まだ1体しか倒してないし。


「スキル調整……見るかぁ」


どれだけ強いスキルが弱くなったのか。


私は恐る恐るスキル調整の詳細な情報を見た。


調整されたスキルは《スロースタート》《魂食い》《悪魔転生》《根性》《ド根性》の五つ


「意外と少ないね、まあ私が知っているスキルの調整しか見れないからスノーピンクのチート魔法とかも調整されているんだろうけど」


《スロースタート》……MP無しで使用可能、使用すると※5分間自身の全ステータス(*HP、MPも含む)が1になる、効果が切れると*5分間全ステータスが最も高いステータスの値と同数値(HP、MPは元に戻る)になる。(*スロースタート発動中は全てのスキル使用不可)


《魂食い》……食べた相手のスキルを1つ選んで奪い1度だけ使用することが出来る。使用すると相手に戻る。相手は奪われたスキルが使用されて戻ってくるまで使えなくなる。奪ったスキルをストックして貯める事は出来ない。*奪ったスキルは10分で元の持ち主に戻る(*セットスキル、ユニークスキルは奪えない)


《悪魔転生》……MP無しで使用可能、使用すると悪魔に転生する。任意で解除するか死亡すると元に戻る。(クールタイム24時間)*悪魔時のステータスが減少しました


《根性》…どんな攻撃も*HPが半分以上ある場合のみ*HP1で耐える(*クールタイム無し)


《ド根性》…どんな攻撃も*HPが半分以上ある場合のみ*HP1で耐え、さらに耐えてから3秒間はダメージを受けない(*クールタイム無し)


「意外とそこまで弱体化は……されてるね」


パラの《スロースタート》は最弱モードで1発でも攻撃受けたら死ぬようになってるしスキルも使えなくなってる。


《魂食い》も使わなければ永遠に奪えるとかは無くなって10分限定になってる。


《悪魔転生》のステータス減少は……悪魔倒せばステータス上昇するしそれで補えるか。


「1番キツイのは《根性》だよねー」


決勝トーナメントのプレイヤーほとんどが《根性》持ちだったから弱体化されちゃったかー。


それに半分別のスキルになってるよね、HPが半分以上あれば何度でも耐えられるようになってる。


「ぐわあああ!負けたのじゃ」


ん?なんか聞き慣れた声が聞こえる。


「レイドボス強すぎなのじゃ……あんなのソロで倒せるもんじゃないのじゃ」


泣きながら膝をついて地面を叩いているあるふぁさんがいた。


あるふぁさんまたソロでレイドボス行ってボコボコにされてる。


「第二層のボスがレベル30前後なのにレイドボスがレベル60っておかしいのじゃあああ!うぅ……デスペナルティがツラい」


なんか話しかける隙が無い、あと叫びすぎてプレイヤーだけじゃなくそこら辺にいるNPCも不思議そうにあるふぁさんを見てるよ。


「よし、私もレイドボス倒したいしボスを倒しに行こう!」


私はあるふぁさんを無視して倒していないボスを探しに行った。


「確か情報通りならここら辺に湖があって――」


第二層が実装されてから結構経ってるからボスゲートの場所くらいは調べたら出てくる、本当かどうかは行ってみないと分からないけどね。


情報通り、ちゃんと綺麗な湖があってその横にボスゲートもあった。


「こんな砂漠に湖があるなんて不思議だね」


チャプチャプと手を湖に入れてみた、冷たくて気持ちいい。


「って痛い!なんか指に噛みつかれた」


指に痛みを感じたのですぐに湖から手を引っ込めると小さな魚みたいなモンスターが私の指に噛みついていた。


スモールフィッシュ Lv5


「レベル低っ!」


なんでこんな弱いモンスターが第二層に?


そう思っていたら湖がボコボコと泡が出ている事に気づいた。


「もしかしてあれ全部……さっきの魚?」


うわぁ、凄い数だ。


あんな数の魚に襲われたら地上はともかく水中だとレベルが低くてもやられちゃうね。


「ボスゲートが湖の中にあるとかじゃなくて良かったー」


湖で泳ぎたかったけどあれじゃ無理だね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る